全豪オープンテニスで激戦を制し、ベスト8にコマを進めた錦織圭選手のウェア左袖に縫い付けられているLIXILがMBO(経営陣買収)を巡って揺れている。

MBOは否定

ビジネス誌が「MBO、シンガポールへの本社移転、シンガポールでの上場を検討することを取締役会で決議している」と報じ、これを受けて、東京証券取引所はLIXIL株の売買を停止する事態になった。

その後同社が「検討および決議を行った事実は一切ない」と全面否定するコメントを発表、売買停止は解除された。株価は一時急騰したあと値を下げるなど乱高下した。

錦織選手の左袖に輝くLIXILとはどんな企業なのか。

積極的なM&A

LIXILグループ<5938>は2011年にトステム、INAX、新日軽、サンウエーブ工業、東洋エクステリアが統合して誕生した大手住宅設備メーカー。錦織選手とは2015年4月にスポンサー契約(グローバル・パートナーシップ契約)を結んでおり、2018年4月に2021年3月まで契約を更新した。

LIXIL は2020年の東京オリンピックのゴールドパートナー(住宅設備部材&水回り備品カテゴリ ー)を務めており、錦織圭選手は「東京2020オリンピックに向けて、LIXILさんと一緒に日本のスポーツ界をさらに盛り上げていきたいです」とのコメントを発表している。

LIXILグループとして統合した企業は、1923年創業のトステムの前身である妙見屋商店、1924年の創業のINAXの前身である伊奈製陶、1936年創業のサンウエーブ工業の前身である中外精工にさかのぼる。

さらに1949にはLIXILグループの前身となるトステム(当初社名は日本建具工業)が設立され、1974年に東洋エクステリアが、1984年に新日軽が設立された。

これら5社の統合によって2011年にLIXILが誕生した後もM&Aには積極的で、同年に呉服や美術工芸織物事業を手がける川島織物セルコンと、カーテンウォールメーカーのペルマスティリーザグループの2社を子会社化。2013年には米国のアメリカンスタンダード ブランズを、2015年にはドイツの水まわり製品メーカー・グローエを子会社化した。

LIXILグループの2019年3月期は売上高が前年度比1%増の1兆8450億円、営業利益が同32%減の400億円と増収減益の予想だ。

利益が3割も減少する厳しい内容だが、錦織圭選手が全豪オープンテニス4回戦で見せたような驚異的な粘りを発揮できるか。さらにMBOやシンガポール移転は今後どのように展開するのか。錦織圭選手同様、LIXILから目が離せない。

文:M&A Online編集部