米アップルが2018年10-12月の売上高予想を従来見通しの890億-930億ドル(約9兆5000億-10兆円)から約840億ドル(約9兆円)へ引き下げた。書き入れ時だったクリスマスシーズン期間の下方修正に市場は動揺し、円は「アップル・ショック」で一時1ドル=104円台にまで急騰した。

アップルの「高価格化戦略」見直しで、浮上した新型「iPad mini5」

下方修正の要因は、新型「iPhone」の「XS」と「XR」の販売不振。同じく「iPad」の高価格モデルである新型 「Pro」の販売も伸び悩み、ティム・クック最高経営責任者(CEO)が2018年に仕掛けた「高価格化戦略」は失敗した模様だ。

発売直後からの不振で値下げされた現行の「iPhone XR」。アップルの高価格化戦略はあえなく挫折(同社ホームページより)

新型iPhoneやiPadの不振は発売直後から明らかだったため、アップルは早くも対策に着手したと伝えられている。その一つが2015年9月に現行モデルの「iPad mini4」が発売されて以来、3年以上も「放置」されたままの新型iPad miniの投入だ。

次期iPad miniは現行モデルのmini4と同じ小型の7.9インチ画面で、筐体(ボディ)をそのまま流用。ディスプレイパネルも最新の有機ELではなく前モデルと同様に液晶のまま、CPUを新型にアップグレードした低価格モデルではないかとの観測が出ている。高価格化戦略で失敗したから、低価格モデルで底上げというわけだ。

実はこうした取り組みは初めてではない。2016年3月、アップルは突然iPhoneの低価格モデル「SE」を発売した。当時の最新モデルだった「6S」の販売が芳しくなく、2世代前の「5S」の筐体と画面に6Sと同じCPUとカメラを搭載した低価格モデルだった。

このSE、低価格に加えて「6」以降に大型化したiPhoneが使いにくいと感じていたユーザーの人気を集め、アップルが想定していた新興国のみならず、先進国でも売れた。日本では発売翌年の2017年にアンドロイドOSを含めた全スマートフォンで、「iPhone7」(2016年9月発売)、「同8」(2017年9月発売)に次いで3番目に売れた端末となっている。

しかし、SEは2018年のXS、XRの発売と同時に、アップルの高価格戦略にそぐわないとして販売中止となっている。