横浜家系を中心にラーメン店を展開するギフト<9279>は17日、横浜家系ラーメン「せい家」を手がけるトップアンドフレーバー(東京・世田谷)の買収を断念すると発表した。子会社化に向けた資産査定デューデリジェンス)後の最終的な詰めの段階で合意に達しなかった。

売上100億円にリーチのはずだったが…

ギフトは6番目のブランドとして「せい家」を取り込み、売上高100億円突破にリーチをかける予定だったが、目論見が外れたことで戦略修正を迫られそうだ。

ギフトは昨年11月15日、トップアンドフレーバーの買収について基本合意したことを発表した。10月に東証マザーズに上場したばかりで、勢いを印象づけた。

「せい家」の店舗(東京・三鷹)

「せい家」を展開するトップアンドフレーバーは1995年設立で、東京都内における横浜家系ラーメンの先駆け企業として知られ、基本のラーメンをワンコイン(500円)で提供している。都内23店をはじめ首都圏に28店(大阪に1店)を展開し、業績は売上高14億円、営業利益668万円(2017年12月期)。

ギフトは「せい家」をグループに迎え入れることで、都内での事業基盤の強化や主力の横浜家系ラーメンの商品品質の向上など、相乗効果が期待できると判断した。

ところが、基本合意から1カ月後の12月14日、2019年1月1日としていた子会社化の予定日を変更すると発表。「詳細事項の確認・調整に時間を要している」というのが理由だ。この時点で、新たなスケジュールは示されず、結局、妥協点を見いだせないまま、さらにひと月が過ぎ、基本合意の解消にいたった。買収金額で最終的に折り合わなかったものとみられる。

家系やとんこつで5ブランドを展開する

ギフトは2008年に田川翔社長が東京・町田市で個人創業したのが始まり。翌09年に町田商店を設立し、15年にギフトに社名変更した。「横浜家系ラーメン町田商店」を主力に、とんこつ系の「釜焚きとんこつ ばってんラーメン/がっとん」「四天王」「豚山」、海外向け「E.A.K(家系)」の5ブランドを持つ。

このうち、「四天王」は大阪・道頓堀にある九州とんこつラーメンで、2015年にコロワイド<7616>から買収して傘下に収めた。

直営店の運営とプロデュース店への食材・ノウハウ提供をビジネスの両輪とする。店舗は415店舗(うち直営64店舗、18年10月)。海外はロサンゼルス、ニューヨークに「E.A.K」を出店している。

業績をみると、18年10月期が売上高24.2%増の69億7100万円、営業利益23.7%増の7億7500万円。19年10月期は売上高83億円、営業利益8億6500万円を見込む。本来なら、これに「せい家」を加えて、売上高100億円に大手をかける手はずだったが、目算が狂うことに。

「ラーメン世界一」へM&Aは有力な手段

「世界一のラーメン企業になる」。ギフトが描く企業像だ。国内1000店舗、海外1000店舗を目指す田川社長の夢は大きい。その実現に向けて、M&Aが有力な手段となるのは間違いなく、今回の“破談”を今後の教訓とすることが重要となろう。

文:M&A Online編集部