大正製薬ホールディングスは2019年6月下旬までに、米国の大手医薬品メーカーのブリストル・マイヤーズスクイブからフランスの医薬品メーカーUPSAを買収し、完全子会社化する。 

買収金額は1823億円で、大正製薬の2018年3月期の売上高2800億9200万円の65%に達し、同期の当期純利益316億7900万円の6年分近くになる。 

大きな買い物を決断した大正製薬の狙いは何なのか。日本では馴染みのないUPSAとはどのような企業なのか。 

解熱、鎮痛、消炎薬、総合感冒薬などに強み

UPSAは解熱、鎮痛、消炎薬や総合感冒薬などの医薬品や、塩化マグネシウムなどの食品サプリメント、スプレーなどの医療機器などを手がけている。2017年12月期の売上高は541億円、営業利益99億円だった。 

世界60カ国に拠点を持つが、日本に拠点はない。売上高構成比はフランスが52%で、フランス以外の欧州が35%、アフリカ8%、アジア4%といった具合で、日本で馴染みがないのが納得できる。 

UPSAは1935年に設立され、1960年に発泡アスピリンを発売し、1980年代初頭はフランスで販売された鎮痛剤の35%を占めたという。 

1994年にブリストル・マイヤーズスクイブの傘下に入り、現在に至っており、この間に乳幼児から高齢者まで、あらゆる年齢層に適合した家庭用医薬品を提供してきた。 

大正製薬は毛髪用剤「リアップ」、ドリンク剤「リポビタン」、かぜ薬「パブロン」など知名度の高い製品を持つ。 

このほか特定保健用食品の「Livitaシリーズ」や、のど飴「ヴイックスメディケイテッドドロップ」、UVケア「コパトーンシリーズ」、炭酸飲料「ライジン」「コバラサポート」など、幅広く健康関連商品を揃えている。 

1912年に創業、これまでにいくつかのM&A を手がけてきた。主なものは2008年にビオフェルミン製薬を子会社化したのに続き、2009年にブリストル・マイヤーズスクイブ インドネシアの子会社化。さらに2011年にホウ製薬ホールディングスを買収、2012年にはトクホンを完全子会社化した。2018年も7月に大正富山医薬品を完全子会社化したばかりで、12月19日にUPSAの買収を決めた。 

大正製薬は日本、東南アジアを事業基盤としており、UPSAは欧州を地盤とするため、地域的な補完関係がある。UPSAの販売ルートを活用してリアップやリポビタン、パブロンなどを欧州に広げていくことが、買収の最大の狙いといえそうだ。

文:M&A Online編集部