米アルファベットの基幹企業であるグーグルが、中価格帯に当たるミッドレンジスマートフォン(スマホ)「Pixel 3a」「Pixel 3a XL」を投入した。価格は最安のPixel 3aで399ドル(日本での価格は4万8600円)から。米アップルが投入するとの見方が強まっている低価格機「iPhone SE2」に真っ向からぶつかる戦略製品だ。

価格帯が違うアンドロイドとiPhone

グーグルが投入した低価格機の「Pixel 3a」(同社ホームページより)

iPhone SE2の価格は600ドル(約6万6000円)との情報もあり、アップルにとっては「低価格機」のiPhone SE2の方が、グーグルにとって「ミッドレンジ」のPixel 3aよりも高いという「逆転現象」が起きそうだ。これはグーグルがスマホ向け基本ソフト(OS)の「アンドロイド」を広く端末メーカーに開放しており、実売価格で100ドル(1万円)台の格安スマホすら販売されている。アンドロイドスマホの場合、399ドルの端末であれば十分にミッドレンジに該当するのだ。

一方、アップルはスマホ向けOSの「iOS」を他社へ開放しておらず、搭載しているのは自社端末のiPhoneのみ。そのため最新の「iPhone XS」は999ドル(日本での価格は11万2800円)から、「同XR」は749ドル(日本での価格は8万4800円)からと高い。499ドル(日本での価格は5万800円)という低価格で販売されている「iPhone7」は、2016年に発売された3年落ちの旧モデルである。

実はこの価格格差が、アンドロイドスマホとiPhoneとの命運を分けてきた。低価格機を投入できたアンドロイドは新興国で販売を伸ばし、スマホ世界一のシェアを実現した。アンドロイドの世界シェアは約86%、一方のiOSは約14%にとどまっている。実にスマホが10台あれば8台以上はアンドロイド端末なのだ。

「ならば、グーグルも万々歳ではないか」と思われるかもしれない。が、そうは単純な話ではない。かつて家電などの電機製品は販売したら終わりの「売り切り商品」だった。しかし、スマホは販売したあとにアプリケーション(アプリ)やコンテンツ、サービス、広告などの利用料を生む「カネのなる木」だ。つまりスマホ本体はビジネスの「目的」ではなく、「手段」の一つなのだ。