ブロンコビリー<3091>の株価下落が続いています。2017年10月の2631円から2018年6月の4850円までいっきに駆け上がりましたが、その後失墜。2月8日は2533円で引けました。およそ8ヶ月で1.8倍値上がりし、その後8ヶ月で半額まで落ち込んだことになります。
図:2015年から直近までのブロンコビリー株価推移
2018年12月期の売上高は前期比13%増の224億3200万円。経常利益は同6%増の26億6900万円でした。今期も売上高が9%、経常利益5%増を予測しています。堅調な業績の裏で何があったのでしょうか?
この記事では、以下の情報を得ることができます。
①ブロンコビリー株価下落の要因
②2019年12月期の見通し

営業利益率が3年で4ポイント悪化
ブロンコビリーは、名古屋で誕生したステーキハウスです。業界に先駆けて炭火焼きとサラダバーを導入したことで人気を博しました。2018年12月末の段階で店舗数は135を数えます。2007年にジャスダック、2012年に東証一部上場を果たしました。
業績推移はこのようになっています。2014年12月期から売上高は10~20%増のペースで積みあがっています。業績の推移は順調に見えます。
注目したいのは「利益率」です。
同社は2005年に経常利益率17.2%を達成します。外食企業の中では3番目。ブロンコビリーは高利益率体質を武器としたのです。2014年に経常利益率15.43%で、業界1位となりました。
株価が低迷した原因は利益率の悪化にあります。2017年12月期から、利益率が急速に落ち始めたのです。下の表の営業利益率に注目してください。
決算期 | 2014年12月期 | 2015年12月期 | 2016年12月期 | 2017年12月期 | 2018年12月期 | 2019年12月期予測 |
売上総利益 | 94億900万円 | 115億600万円 | 131億5200万円 | 143億3500万円 | 163億700万円 | - |
売上総利益率 | 72.11% | 72.25% | 73.03% | 72.53% | 72.70% | - |
営業利益 | 20億1300万円 | 24億4900万円 | 27億5400万円 | 24億4600万円 | 25億9700万円 | 27億3000万円 |
営業利益率 | 15.43% | 15.38% | 15.29% | 12.38% | 11.58% | 11.14% |
経常利益 | 20億700万円 | 24億6300万円 | 28億700万円 | 25億1600万円 | 26億6900万円 | 28億円 |
経常利益率 | 15.38% | 15.47% | 15.59% | 12.73% | 11.90% | 11.43% |
※決算説明書、有価証券報告書より筆者作成(2019年12月期の売上総利益予想はでていないため空欄)
ブロンコビリーは、経常利益率が高いことを株主にアピールしていました。これは長期借り入れがないために支払利息がぼとんど発生せず、フランチャイズ加盟店から協賛金や賃料(営業外収益)が得られて、他社よりも有利に戦えるため。しかし、営業利益率と経常利益率を比べると、ほとんど差がないことがわかります。従って、ここでは営業利益率の推移に着目して、説明を続けます。
営業利益率(表の青字の部分)は2017年12月期を境に、悪化の一途をたどっています。