住友商事<8053>は2020年8月24日に、不眠症向けの医療用アプリの開発などを手がけているサスメド(東京都中央区)との資本業務提携に合意した。

サスメドは日本に約600万人いるとされる不眠症患者への効率的な治療の提供を目指しており、住友商事はサスメドとの協業を通じ、医薬ビジネスをデジタル領域に拡大し、製薬事業も含めた事業展開を検討していく。 

不眠症の治療に役立つアプリとはどのようなものなのか。また住友商事が注目するサスメドとはどのような企業なのか。

医療用アプリの利用促進に注力 

不眠症をはじめとする生活習慣病や中枢神経系疾患などは、既存の医薬品による完治が難しく、本質的な回復のためには生活習慣の改善や、認知や行動の変容が必要となるという。 

医療用アプリはデジタル治療やデジタルセラピューティクスとも呼ばれ、デジタル技術を用いた疾病の予防、診断、治療などを実現するためのソフトウエアで、生活習慣の改善などに効果があると期待されている。 

サスメドは不眠症をはじめとする医療用アプリ開発のためのプラットフォームを開発しており、これら仕組みを活用するほか臨床試験などを通じて製品化を目指す。

また同社は医療データ改ざんなどを防ぐブロックチェーン技術や、データ分析の効率化などが見込めるAI(人工知能)自動解析技術なども持つ。これら技術を用いて医薬品の過剰摂取防止や医師、看護師の負担軽減などにも取り組んでいる。 

住友商事は子会社の住商ファーマインターナショナルを通じて医薬品の研究、開発などにかかわっており、今回の資本業務提携を機に、医療用アプリの普及を目指すとともに共同事業や医療用アプリの海外展開など多方面での協業を模索していく。 

日本ケミファとも資本業務提携 

サスメドは住友商事との提携と同時に、医療用医薬品や臨床検査薬などを手がけている日本ケミファ<4539>とも資本業務提携を結んだ。日本ケミファを割当先とする第三者割当増資を実施するとともに、すでに日本ケミファに提供しているAI 自動分析システムを用いて、医療用医薬品開発候補テーマに関して多面的な分析を行う計画だ。 

さらに、治験手順の設計や効率的な治験などを共同で行っていくほか、デジタル医療基盤を応用した新規事業の共同展開の可能性などについても検討する。 

大企業2社との同時提携を実現したサスメドは「当社の技術力とノウハウ、将来性を高く評価していただいた」としており、今後の研究開発を加速させる方針だ。 

不眠症の効率的な治療をはじめとする共同開発の成果はいつごろ花開くだろうか。

文:M&A Online編集部