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【2月M&Aサマリー】77件、高水準をキープ|気がかりな「新型コロナ」の行方

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独系のアリアンツ生命(東京・赤坂)を子会社化し、イオングループが生保に参入

資産管理会社が注目を集める?

2月は資産管理会社が一つのキーワードとなった。

一眼レフ用交換レンズ大手のタムロンは、同社創業家の資産管理会社であるニューウェル(さいたま市)の全株式を取得して子会社化する。ニューウェルはタムロン株式の約19%を保有する筆頭株主で、取得金額は144億円8200万円。株主・投資家への公平性や取引の透明性の確保の観点から、3月末に開く定時株主総会での承認を前提する。

同じく筆頭株主が保有株を放出するケースが発生したのは、エイチ・エス証券などを傘下に持つ澤田ホールディングス。投資ファンドのMETA Capital(東京都港区)はTOBで澤田HDの株式50.1%を約208億円で取得し、子会社化する予定で、澤田HD会長で筆頭株主の澤田秀雄氏(所有割合26.8%)と同氏の資産管理会社(同2.7%)はTOBに応募する意向。ただ、会社側(澤田HD)はTOBの賛否について「留保」の意見を表明しており、曲折も予想される。

米国関連は異例のゼロ

国・地域別に海外M&Aをみると、全16件中、7件がアジア。英国、ドイツ、カナダは各2件あったが、米国は珍しくゼロだった。

電炉大手の共英製鋼は、カナダのMCアルタスチールの電炉事業を約155億円で買収することを決めた。2016年に米BDビントンを買収したのに続き、北米での電炉製造拠点を手に入れる。共英製鋼は国内鉄鋼需要の縮小に対応し、海外進出を加速中で、アジアではベトナムに足場を築いている。

ツムラは、漢方製剤用原料の主要な調達先である中国の天津盛実百草中薬科技有限公司(盛実百草)を子会社化する。株式80%を約187億円で3月中に取得する予定。原料生薬の安定調達や中国での事業拡大が狙い。

国内の事業会社同士では、さつまいも加工卸販売のポテトかいつか(茨城県かすみがうら市)を139億円を投じて子会社化するカルビーの案件が最大規模。

DeNAとタクシー最大手の日本交通ホールディングス(東京都港区)はタクシー配車アプリ事業を4月1日に統合すると発表した。また、三菱マテリアルと宇部興産は2022年4月をめどにセメント事業を統合することで基本合意した。

RVH、美容脱毛「ミュゼプラチナム」など2社売却へ

売却案件で耳目を集めたのはRVH。美容脱毛サロンを展開するミュゼプラチナム(東京都渋谷区)、エステティックサロン「たかの友梨ビューティクリニック」を運営する不二ビューティ(東京都港区)の美容サロン子会社2社を手放す。両社は連結売上高の約85%を占めており、譲渡によって売上高(2019年3月期587億円)は激減する。

RVHは4月に開く臨時株主総会特別決議の対象議案として2社の譲渡を付議する。譲渡先はG.Pホールディングス(東京都新宿区)。同社は高野(たかの)友梨氏が代表を務め、実は譲渡対象2社のうち、不二ビューティの元親会社

RVHが売却を予定する美容脱毛サロン「ミュゼプラチナム」(東京都内で)

経営再建中の三井E&Sホールディングス(旧三井造船)は、子会社が大分市内で手がける太陽光発電事業を譲渡する。持ち分の51%を放出するが、譲渡先、譲渡額は非公表。同じく再起を期す千代田化工建設も子会社が展開するIT事業をTISに約4億円で譲渡を決めた。

◎2月のM&A:取引金額上位(10億円以上)

<買収案件>
1 総合メディカルホールディングス、MBOで非公開化(763億円)
2 大王製紙と丸紅、ブラジルの衛生用品メーカーSantherを買収(584億円)
3 オーデリック、MBOで非公開化(306億円)
4 META Capital、澤田ホールディングスをTOBで子会社化(208億円)
5 ツムラ、漢方製剤用原料を生産する中国「盛実百草」を子会社化(187億円)
6 共英製鋼、カナダのMCアルタスチールから電炉事業を取得(155億円)
7 タムロン、創業家の資産管理会社ニューウェル(さいたま市)を子会社化(144億円)
8 カルビー、さつまいも加工卸販売のポテトかいつかを子会社化(139億円)
9 博報堂DYホールディングス、台湾広告大手GROWWW MediaをTOBで子会社化(67億円)
10 イオンフィナンシャルサービス、独系のアリアンツ生命保険(東京都港区)を子会社化(36億円)
11  ソラスト、大分県の介護サービス大手の「恵み会」を子会社化(33.7億円)
12 生化学工業、カナダの医薬品製剤開発・製造受託Daltonを子会社化(33.2億円)
13 大王製紙、トルコ衛生用品メーカーのウゼンを子会社化(30億円)
14 三井金属鉱業、JX金属との銅精錬事業見直しに伴い日比製煉(東京都品川区)を子会社化(28億円)
15 三菱ガス化学、持ち分法適用関連会社の日本ユピカをTOBで子会社化(25.5億円)
16 ミヤコ、MBOで非公開化(19.8億円)
17 アインホールディングス、病院内売店を運営するシダックスアイ(東京都調布市)を子会社化(15億円)
18 全国保証、東和銀行傘下の東和信用保証(前橋市)を子会社化(13.6億円)
19 G-7ホールディングス、ミニスーパー「miniピアゴ」運営の99イチバ(横浜市)を子会社化(12.6億円)
20 UTグループ、ベトナムの人材派遣会社Green Speed Joint Stock Companyを子会社化(12.3億円)
<売却案件>
1 RVH、ミュゼプラチナムと不二ビューティの2美容子会社をG.Pホールディング(東京都新宿区)に譲渡(78億円)
2 リアルワールド、子会社が手がけるポイントサービス「Gendama」をサイブリッジグループ(東京都港区)に譲渡(36億円)
3 デサント、オフロードシューズ「イノヴェイト」製造の海外子会社(英国王室属領国マン島)を創業者に譲渡(10億円)

文:M&A Online編集部

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