投資会社のシティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)は3日、日本アジアグループに対して実施していたTOB(株式公開買い付け)を撤回した。これに先立ち、シティのTOBに反対する日本アジアは1日、対抗措置として1株当たり300円の特別配当を3月18日時点の株主に対して行う方針を公表していた。特別配当の総額は約82億円で、日本アジアの純資産の帳簿価額の52%に相当する。このため、シティはTOBを維持することは著しく経済合理性を欠くと判断した。シティの買付期間は3月22日までだった。
日本アジアを巡っては2月初めまで米投資ファンドのカーライル・グループと共同でMBO(経営陣による買収)を目的とするTOBが行われたが、不調に終わった。
シティはMBOが進行中だった日本アジアの全株式取得を目指して2月5日にTOBを開始。買付価格は1株1210円で、買付代金は最大約264億円。日本アジアは反対意見を表明し、敵対的TOBに発展していた。シティは旧村上ファンド系投資会社。
日本アジアは3日、予定通りに特別配当を実施する方針を発表した。