ガス検知器メーカーの理研計器<7734>は旧「理研コンツェルン」の1社として知られる。日本を代表する大実業家の渋沢栄一氏が設立した財団法人(現在は国立研究開発法人)理化学研究所からスピンオフした、いわば「研究所発ベンチャー」だ。

M&Aで「生産能力」を手に入れて起業

1938年に理化学研究所の辻研究室が発明した「光学式ガス検知器」や「光弾性実験装置」などの精密機械を製造販売するため、富國機械を買収して起業したのが始まり。現在は生産力を持つメーカーが研究開発型企業を買収する「技術を買う」M&Aが多いが、同社は逆に研究開発機関が「生産力を買う」M&Aで起業した珍しい生い立ちを持つ。

太平洋戦争末期の1944年に軍需工場としてレンズ生産に乗り出すが、終戦を迎えると再びガス検知器メーカーとして再スタートを切った。戦災からの復興で石炭増産が進むと、炭鉱の安全を守るために商工省(現・経済産業省)から炭鉱保安機器製造重要工場の指定を受け、ガス検定器の指定事業者となった。

多くの製造現場でガス検知器が使われるようになり、理研計器は「人々が安心して働ける環境づくり」を経営理念として掲げ、製品開発に取り組む。現在では半導体・太陽電池・液晶工場での特殊材料ガス事故防止、石油精製・石油化学・化学・二次電池工場、タンカーなどでのガス漏洩や爆発防止のニーズが主力だ。

強い毒性と可燃性を持つガスが使われる半導体や液晶パネル工場ではガス検知器が文字通り「命綱」だ。(同社ホームページより)