無視できないメルカリの中古アパレル市場

-新品だけでなく、昔は古着と言われた中古マーケットも無視できなくなりました。

齊藤  フリマ(フリーマーケット)アプリを手がけるメルカリ<4385>の影響が大きい。メルカリは若年層の消費行動を一変した。メルカリを頻繁に利用するユーザーは、安物の服を買わない傾向がある。メルカリで転売できないからだ。メルカリ利用者が重視するのは服自体の価格ではなく、購入価格からメルカリで売れる価格を差し引いた金額。こうした動きが、アパレル商品の相場決定に影響を与えるのではないかと注目している。

若年層のアパレル購買行動を変えたメルカリ(同社ホームページより)

-アパレルの相場決定が変わる、と?

齊藤 国内アパレル総売上高はバブル期の1991年に比べると、3分の2に縮小している。一方で数量は2ケタ増と成長した。こうした逆転現象が起こった理由は、ファストファッションの普及などで衣料の販売単価がおよそ半額に下落しているから。消費者の自宅のクローゼットには、安い衣服があふれるようになった。そうした環境下で「服を所有することに意味があるのか?」という疑問は当然出てくる。気に入った時だけ着て、あとは手放してクローゼットをすっきりさせた方が良いのではないか。そうしたニーズに応えて、大成功を収めたのがメルカリだ。

-海外ではメルカリのようなフリマアプリでの中古衣料品の個人売買は盛んなのですか?

齊藤 海外でもビンテージ物のような高価な衣料品は個人間で売買されている。ただ、取引は本人同士が直接会って服を引き渡すケースがほとんどで、直接会いもせずに出品から決済までをアプリで済ませる文化はない。

-なぜ、日本でメルカリのようなフリマアプリが普及しているのでしょう?

齊藤 メルカリが新たな市場を切り開いたというよりも、すでにそうした商業的な中古品売買市場があったからこそ同社が成功したのだろう。日本でもメルカリユーザーは37-38歳(1981-1982年生まれ)以下の若年層がほとんど。彼らは子ども時代にマンガやゲームソフトをブックオフなどで売った経験があり、中古品の商用売買に抵抗感がない。いわば消費者が「持つ」ことにこだわらない。日本独自の中古マーケット文化といえるものだ。

若年層には抵抗が少ない中古品の売買