経済活動のグローバル化とともに、国境を越えたM&Aが活発化する中、日本企業が主要プレーヤーの一員となって久しい。先には武田薬品工業が7兆円近くを投じてアイルランド製薬大手、シャイアーの買収を決め、耳目を集めた。そんな折、大型M&Aの舞台裏を知るうえで格好の一冊が『ゴールドマン・サックス M&A戦記』(日経BP社)だ。著者の服部暢達さんは、世界最強の投資銀行といわれるゴールドマン・サックス時代、日本の企業史に残るM&Aで数多くの“戦果”を上げた...
武田薬品工業は英国の制度「スキーム・オブ・アレンジメント」によってアイルランドの製薬会社シャイアーを買収する。これに日本の「産業競争力強化法」の改正が加わり、6兆8000億円という日本企業過去最高額のM&Aが実現した。
大手書店にはM&Aの専門書が入門書から実務書、学術書まで所狭しと並びぶ。そんな中、2月に出版された一冊が『M&A会計の実務』(税務経理協会刊)。仰星監査法人社員(パートナー)で公認会計士の竹村純也さんに執筆の動機や仕事への思いを聞いた。
「企業の多角化」という専門分野から捉えると、無借金経営、キャッシュリッチな企業は、いまこそ『ポートフォリオ・リストラクチャリング』のチャンスでもある」と語るのは、慶応義塾大学商学部の牛島辰男教授である。インタビュー後編は、企業が海外M&Aをより進めていくうえでどうしたらよいか伺った。