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武田薬品がシャイアー買収で使う「スキーム・オブ・アレンジメント」と「産業競争力強化法」の改正とは

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武田薬品のグローバル本社

武田薬品工業<4502>は英国の法制度「スキーム・オブ・アレンジメント」によってアイルランドの製薬会社シャイアーを買収する。同制度は武田薬品のシャイアー買収に関して、シャイアー株主の過半数、議決権の75%以上の賛成、裁判所の認可という条件を満たせば、反対する株主がいても100%の株式を取得できるというもの。

これまで多くの日本企業が英国企業買収の際にこの制度を利用してきた。武田薬品の場合は、この制度に加え日本の「産業競争力強化法」の改正によって、6兆8000億円という日本企業過去最高額のM&Aが可能になった。「スキーム・オブ・アレンジメント」とはどんな制度なのか。そして「産業競争力強化法」の改正とはどのような内容なのか。

自社株対価のM&Aが可能に

これまで日本の企業が外国の企業を買収する際の対価はほぼ現金に限られていた。制度上は株式などの現物でも可能だが、審査などに多くの時間がかかるため、実態としては現金以外には選択肢は無かったと言える。

それが2018年4月に産業競争力強化法が改正され、自社株を対価とするM&Aを実施しやすいように会社法の特例措置が講じられることになった。

武田薬品はシャイアーの株主に、シャイア-株式1株に対し30.33ドルと武田薬品株0.839株を対価として支払う。買収を発表した2018年5月8日の為替と株価で計算すると、30.33ドルは3305円、武田薬品株0.839株は3804円で、総額は約6兆8000億円となる。

武田薬品は買収資金の調達のため、JPモルガン・チェース・バンクNA、三井住友銀行、三菱UFJ銀行との間で、308億ドル(約3兆3500億円)のつなぎ融資契約を結んだ。

武田薬品の2018年3月期の売上高は1兆7705億円、当期利益は1869億円。シャイアーの2017年12月期の売上高は約1兆6555億円、当期利益は約4600億円だった。これら数字を単純に合計すれば、武田薬品単独に比べ売上高は約2倍、当期利益は約3.5倍になる。

こうした数字の裏付けがあって、3兆円を超える借り入れにもかかわらず武田薬品のクリストフ・ウェーバー社長CEOは買収に自信を示していた。これが自社株対価の手法が使えず、7兆円近い借入が必要だとするとどうだろうか。この買収が実現しなかった可能性が高い。

産業競争力強化法の改正は2018年の夏以降に実施される見通し。武田薬品は2019年1-6月に買収を完了する計画で、改正後の自社株対価M&Aの第1号となりそうだ。

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江戸時代に大阪・道修町で産声を上げた武田薬品工業は、数々のM&Aによって成長し、フランス人社長が率いる世界企業となった。日本では過去最高額となる約6兆8000億円を投じるアイルランドの製薬会社シャイア―の買収にも自信たっぷりだ。

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