インテグラート株式会社 エグゼクティブコンサルタント 名田秀彦氏に聞く

長く大手電機メーカー(パナソニック)に勤め、2017年、ビジネスプラン構築や事業性評価支援などを専門に行うインテグラート社に招かれた名田秀彦さん。パナソニック時代は日本やアメリカでの大規模M&Aなどの経験を持つ。その実務経験がいま、どのように生かされているのか。

パナソニックで3度のM&A経験

―長く大手電器メーカーに勤め、昨年、ビジネスプラン構築や事業性評価支援などを専門に行う会社に招かれたとうかがっています。まず、ご自身の経歴とM&Aとの関わりについて教えてください。

大学を出て松下電器産業(現パナソニック、以下同)に社内SEとして入社し、基本はパナソニックグループにおける情報システムの企画、開発、設計、運用などを担当してきました。その間、M&Aとの関わりは、大きく分けて3つありましたね。

まず1つ目は、90年代の前半、90年から96年にかけてアメリカに出向していた時期です。当時は日本製品のダンピングが大きな社会問題となっていた時期で、日本は輸出ではなく米国での現地生産を拡大する必要に迫られていました。当時、パナソニックには米国内に20ほどの生産拠点があり、私はその工場の情報システムを支えることをミッションとして出向していました。

その頃に、現地生産拠点の拡充のために、ケンタッキー州にある掃除機工場の買収を図ったわけです。そのとき、その工場の親会社の情報システムをパナソニックの情報システムに総入れ替えする必要がありまして。PMI(Post Merger Integration=M&A成立後の統合プロセスのこと)の仕事ですね。

ただ、この仕事は1年半にわたりとても苦労して進めましたが、結局はうまく切り替えることができないまま終了しました。

―2つ目のご経験は?

2011年頃、松下電器産業、松下電工、三洋電機がパナソニックグループの完全子会社になったときの海外拠点の対応ですね。全世界に3社の海外拠点は生産、物流、販売など合わせて約350社ありました。ビジネスプロセスの面や情報システムなど、M&Aにあたってはそれら海外拠点のグローバルな商流を統合しなくてはならず、14か月かけて切り替えていきました。これもPMIの業務です。

そして3つ目は売却に関することです。2014年頃、パナソニックが業績不振に伴って構造改革を求められた時期です。本社の固定費改革として、職制に応じて切り分け、外部の会社にアウトソーシングとして売却する必要がありました。そのときは海外ではなく、本社の戦略スタッフの一員として対応しました。