バーチャルデータルーム(VDR)のパイオニアである米国イントラリンクスは、M&A件数の全世界の将来予想を4半期ごとに発表している。どのようにして調査しているのか。また予測はどの程度、正確なのか。学生レポーターの山口萌さんがイントラリンクス日本法人の村岡聡カントリーマネージャー(イントラリンクス日本営業責任者)に、調査方法や正確性に加え、データの利用者や利用目的などについて聞きました。

正確性は99%

-M&Aの動向を定期的に発表されていますが、どのように調査されているのでしょうか。 

「我々の顧客は資料開示ツールであるバーチャルデータルームでデューデリジェンス(買収対象企業の調査)を行います。その後合意するとM&Aとして公表されます。この公表数字をトムソンロイター社が集計して発表しています。我々はトムソンロイターが発表する3カ月から6カ月前にM&A の種みたいなものを顧客から知らされていることになります。我々が顧客から注文をいただく数が多ければ、その3カ月から6カ月後に発表されるトムソンロイターの数字も多くなります。我々の数字が減れば、3カ月から6カ月後に発表されるトムソンロイターの数字も減るでしょう。という方法で予測をしています」 

-M&Aを実施する企業がすべてバーチャルデータルームを使っているわけではないと思われますが。 

「ある程度のシェアを持っていないとデータとしての信頼性は低くなります。イントラリンクスはグローバルでナンバーワンのポジションにいますので、精度の高いデータを開示できていると思っています」 

-予測の正確性はどうでしょうか。

「正確性については第3者に依頼して、トムソンロイターの数字とイントラリンクス予測数字のシンクロ率を調べており、99%シンクロしているという結果が出ています」 

-公表されたデータはどういう方が、どのような目的で読まれているのですか。

投資銀行やM&Aアドバイザーの方は自身のビジネスにつながるので読んでいただいています。事業会社の方も自身が属している業界が、M&Aに関してどのような状況にあるのか見ておられます。我々の予測数字からはM&A を実施するのに適しているのかどうかを判断することができます。ほとんどM&Aが成立していないのであれば、売りが出ていないことになりますので、M&Aに適していないことになります。逆に極端に数字が多い場合は、おそらく買いたい人がたくさんいる状況ですので、不当に金額が吊り上がっていることも考えられます。我々の予測はマーケットがどういう波にあるのか。タイミングを見る一つの指標になります」 

予測数値はM&Aのタイミングを見る一つの指標になるという村岡聡カントリーマネージャー