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【ソニー】(2)ソニーが自動車会社になる日は...

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高額M&Aにも強い自信

一方の楽曲著作権の獲得については2018年5月22日の第三次中期経営計画の発表当日に早くも実現した。ソニーは音楽出版社のEMIミュージックパブリッシングを、23億ドル(約2553億円)で買収する。買収額は1989年に48億ドル(現在レートで約5300億円)で買収したコロンビアピクチャーに次ぐ高額なものだ。

アブダビ政府系の投資会社が保有するEMIミュージックパブリッシングの株式(発行済み株式の60%)をソニーの米国子会社が取得することで、EMIミュージックパブリッシングの90%の株式を確保する。

EMIミュージックパブリッシングは売上高6億6300万ドル(約735億円)、調整後営業利益1億8100万ドル(約200億円)の優良企業で、ロックバンド「クイーン」などの著名なバンドや歌手の著作権200万件を保有している。

もともとソニーはビートルズなどのヒット曲の楽曲230万曲の著作権を保有しており、米国市場では20%のシェアを持つ。EMIミュージックパブリッシングの買収が完了すれば、430万曲の著作権を持つ、まさに「世界最大の音楽出版社の一つになる」わけだ。

とはいうものの2500億円を超える投資は果たして回収できるのだろうか。これに対し吉田社長は「音楽出版は収益の安定した事業であり、この投資はソニーの長期的成長に向けた重要な布石となる」と発言。2500億円を超える高額投資の回収に強い自信を示した。

音楽市場は1999年から2014年までは縮小していたが、2015年以降は成長軌道を描いている。保有する楽曲が一気に2倍近くになることで、この波にうまく乗り、投資を回収しようということのようだ。新たな楽曲著作権の獲得、アーティストの発掘や育成など取り組むべきテーマはまだまだある。M&Aを含め今後どのような手を打ってくいくのか。ソニーが講じる次の一手に注目が集まる。

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