マツダの狙いは「デザインの訴求」

なぜ、マツダは子どもに金型磨きを体験させるのか?これには同社のデザイン重視のクルマづくりが深く関係している。金型はボディー部品の加工にも利用されるため、デザインを左右する重要なツールだ。単純にいえば直線的なデザインなら金型づくりは容易だが、曲面を多用する複雑な形状になると格段に難しくなる。

デザイン重視のマツダ車は曲面を基調とする流麗なスタイルを採用しているため、金型づくりのレベルは高い。金型づくりは3次元CAD/CAMでのコンピューター制御が主流だが、金属は曲げると元に戻ろうとする性質がある。コンピューター制御で設計図通りに金型を製作しても、その金型でプレス加工した部品が設計図通りにならなかったというケースもざら。

そこで熟練工が素材となる金属板の復元を想定して、設計図とは微妙に違う金型を作る。その最後の微調整が金型磨きなのだ。マツダは熟練工の手作業で、1ミクロンレベルの面粗度(表面の粗さのレベル)を実現している。出来上がった金型は鏡面のようにピカピカだ。

デザイン重視のマツダがデザイナーではなく金型磨きを体験させるのは、自動車で優れたデザインを実現するためには何が必要なのかを子どもたちに理解してもらうためだ。マツダの金型磨き体験は11月4日(月)まで。 参加には「Out of KidZania in TMS2019」サイトでの予約が必要だ。

マツダの金型磨き体験ブースは、まるで実際の工場のようだ

文:M&A Online編集部