新型コロナウイルス用の国産ワクチンの開発に取り組んでいるアンジェス<4563>は2020年11月20日に、近く同ワクチンの第2/3相臨床試験を始めると発表した。

第2/3相臨床試験は第1/2相臨床試験での用法用量での安全性や免疫原性(免疫応答を誘発する能力)を、症例数を増やして評価するもので、2021年3月までにワクチン接種を終え、接種後52週間のフォローアップ期間を経て、2022年3月に試験を完了する。

同社では今回の試験で用法用量を確定したあと、さらに新型コロナウイルス感染症の予防効果を検証するプラセボ(偽薬)対照の大規模な第3相比較試験を実施する予定。

同ワクチンについては2021年中に実用化できるとの見通しが伝えられているが、今回の試験のあとに大規模な試験が控えていることを考えると、2021年中の実用化には黄色信号が灯っていると言えそうだ。

米製薬大手のファイザーと、同じく米国のバイオテクノロジー企業であるモデルナが近く、開発中のワクチンについて、米国食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可の提出を行う予定で、日本には2021年上半期に供給するとしている。

どうやら日本では米国製ワクチンが広まったあとに、国産ワクチンの登場ということになりそうだ。

500人を対象に8施設で実施

アンジェスが予定している第2/3相臨床試験は健康な成人500人が対象で、250人ずつの二つのグループに分け、一方には2週間間隔で2回、もう一方には4週間間隔で2回ワクチンを接種する。250人のそれぞれのグループにはプラセボが50人ずつ含まれるという。

関東と関西の8施設での試験を予定しており、施設の治験審査委員会の承認を得たうえで実施に移す。

アンジェスは2020年9月に健康な成人60人を対象に、第1/2相臨床試験に着手し同年10月にワクチン接種を完了した。試験結果は2020年内に公表する予定。

接種完了から結果公表までの期間は約2カ月で、第2/3相臨床試験でも同じ2カ月とすると、第2/3相臨床試験の結果は2021年5月ごろに公表される見込み。

ワクチンの接種期間は第1/2相臨床試験が1カ月ほどなのに対し、対象者が増えた第2/3相臨床試験では4カ月ほどに伸びている。

大規模な第3相比較試験では接種期間を第2/3相臨床試験と同じ4カ月ほどとし、接種完了から結果公表までの期間を第1/2相臨床試験と同じ2カ月ほどとして計算すると、第3相比較試験の結果が公表されるのは2021年末になりそう。

このため何らかの特別な措置が取られなければ、2021年中の実用化は難しいとみるのが妥当ではないだろうか。