旅行会社最大手のJTB(東京都品川区)は、2021年3月期に経常損益が1000億円の赤字に転落することを公表した。 

すでにエイチ・アイ・エス(HIS)<9603>が2020年10月期に営業、経常、当期の全段階で赤字に転落するほか、KNT-CTホールディングス(HD)<9726>も2021年3月期に営業、経常、当期の全段階で赤字に転落することを公表しており、JTBの発表で大手3社がそろって経常赤字に転落することになった。 

GoToトラベルで国内旅行の需要が拡大したものの、新型コロナウイルス感染症の第3波による需要縮小が見込まれるほか、世界各国で渡航制限措置が続いており、旅行会社にとってこうした厳しい状況がそのまま業績予想に表れた格好だ。 

米国では2020年内に新型コロナウイルス用ワクチンの接種が始まり、日本でも2021年前半に接種が始まる見込みで、先行きに明るさが出てきた。だが、ワクチンの効果や接種の広がりなどを考えると、海外を含めた旅行需要の回復には時間を要するとみるのが一般的で、旅行会社の苦境の収束はもうしばらく先になりそうだ。 

営業利益の中長期目標は450億円 

JTBは2020年11月20日に2021年3月期第2四半期決算を発表。その中で2021年3月期通期の業績予想として経常損益のみ数字を明らかにした。 

2021年3月期第2四半期の業績は、売上高が前年同期比81.1%の大幅な減少となり、その結果、営業損益は710億7000万円、経常損益は580億300万円、当期損益は781億7200万円の赤字に転落する。この数字を踏まえて、通期見通しは1000億円の経常赤字とした。 

同社では早期に営業利益を黒字化するため、国内外のグループ会社数や拠点数の削減、店舗の統廃合、人員の削減などの経費削減策に取り組むと同時に、事業領域をこれまでの個人、法人、グローバルの顧客軸からツーリズム、エリアソリューション、ビジネスソリューションの三つに再整理する構造改革を進める。 

こうした取り組みで、中長期的に450億円規模の営業利益を安定的に創出する企業グループを目指すとしている。 

営業、経常、当期の全段階で赤字に転落 

HISは2020年9月25日に2020年10月期の業績予想を公表しており、売上高は前年度比47.6%減4240億円、営業損失は367億円、経常損失は360億円、当期損失は318億円を見込んでいる。 

KNT-CTHDは2020年11月11日に2021年3月期の業績予想を公表、売上高は前年同期比63.7%減の1400億円、営業損失は250億円、経常損失は150億円、当期損失は170億円を見込んでいる。

【JTB、HIS、KNT-CTHDの業績見通し】単位:億円

  JTB(2021年3月期) HIS(2020年10月期) KNT-CTHD(2021年3月期)
売上高 非公表 4240 1400
営業損益 非公表 △367 △250
経常損益 △1000△360 △150
当期損益 非公表 △318 △170

文:M&A Online編集部