フィンテックM&A 年初の予想を検証してみる

今年は、年初にベンチャーM&Aの予想を発表したので、マーケットの動向が例年以上に気になっています。そのなかで「ここ数年でスタートアップの資金調達が急増した、フィンテック分野でのM&Aが活発化しそうな予感があります」と書きました。年明けから2か月が過ぎましたが、どのような動きがあったでしょうか。(関連記事はこちら 【ベンチャーM&A速報レポート】 2017年も引き続きM&Aは活発に )

オンライン決済の両雄
PayPal(ペイパル)とAnt Financial(アントファイナンシャル)の動き

フィンテック分野のベンチャーM&Aが活発化しているとまで言えるかどうかは微妙ですが、今年にはいって個人間決済やEコマース決済のリーダー企業であるPayPalとAnt Financialに動きがありました。
1月にAnt Financialが国際送金のMoneyGramを$880M(約1000億円)で買収、2月にPayPalが通信/公共料金決済のTIO Networksを$233M(約265億円)で買収しました。

PayPal -北米の事業基盤を強化

1998年に設立されたPayPalは元祖フィンテックともいうべき存在です。電子メールを使ったP2P( ピア・ツー・ピア)少額決済という当時としては画期的なサービスで注目を浴びました。

創業チームはピーター・ティール氏(著名な投資家)やイーロン・マスク氏(テスラの創業者)らで、2002年にNASDAQで株式公開(時価総額$800M)、同年にeBayに買収されました(買収価格$1.5B)。2015年に「物言う投資家」カール・アイカーン氏の圧力でeBayがPayPalをスピンオフ、PayPalは再上場することなります(時価総額;2回目のIPO時$47B→現在$51B)。

現在、売上高$10.8B、当期利益$1.4B、ユーザ数は2億人です。PayPalが買収したTIO Networksは、カナダのTSX(ベンチャー証券取引所)公開企業で、北米市場で通信料金や公共料金の決済サービスを提供しています。

Ant Financial -国際送金サービスでもPayPalに追随

Ant Financialは、2004年にアリババの決済部門(Alipay)としてスタート、2014年のアリババのIPOを機にスピンオフしました。アリババ創業者のジャック・マー氏が経営していて、未公開企業ながら、2016年4月に$4.5Bを調達しています(時価総額$60B)。現在の主要株主は中国の国営金融機関で、ユーザ数は4億5千万人、中国のオンライン決済のシェアは6割近いそうです。