トップ > 調べる・学ぶ > M&A実務 > 会計コラム >「業績プレッシャーについて」

「業績プレッシャーについて」

※この記事は公開から1年以上経っています。
alt

4.風土と仕組みの両方が必要

 いいプレッシャーを最適な程度にかけるためにはどうすればいいのでしょうか。
これには、「良好な組織風土」と「ガバナンス、内部統制」といった仕組みの両輪が必要です。

「良好な組織風土」とは何か、それを築くにはどうしたらいいのか、これは今回のメルマガではとても書ききれないため別の機会にしたいと思いますが、一言でいえば「会社が明るいこと」に尽きると思います。

 会社が明るくなるために最近は多くの会社で様々な取組が行われています。例えば、オフサイトミーティングや、家族を交えての職場懇親会、コーチングやメンター制度の導入、職場行事の復活等々があります。どの施策もコミュニケーションを重視し、相互理解を進めて職場を前向きで明るいものにしていくものです。このような取組を「無駄」と冷めて考え、ひたすら「業績数値」で人を見るような雰囲気となっていると危険信号かもしれません。

 また、「ガバナンス、内部統制」といった仕組みのポイントとしては、本社機能の設計(権限と評価)をどのように行うかにあるかと思います。

 例えば、コーポレート経理の本来の業務は「経営判断や投資家に資する適切な財務報告をタイムリーに作成することであること」のはずです。東芝の委員会報告書では、コーポレート経理の役割は「連結作業をすることだけにあった」と指摘されていますが、適切な財務報告を作成するためには、事業の経理部門の「モニタリング機能」を持つよう設計されるべきです。

 そしてその部署の評価は、「経営判断や投資家に資する適切な財務報告をタイムリーに作成できたかどうか」で判断をしていくことが必要です。もし、経営者不正であれば、監査役や監査委員会と連携をしていくことも必要です。

文:株式会社ビズサプリ メルマガバックナンバー(vol.012 2015.9.17)より転載

関連リンク
「不正の概念とリスクへの対応」
【東芝】 M&Aで失墜からの復活なるか
(前編)不適切会計と粉飾決算の違いとは?

NEXT STORY

アクセスランキング

【総合】よく読まれている記事ベスト5