【神戸物産】業務スーパー、値上げしても増収増益が続く理由とは

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ビジネスモデルは意外にも無印良品と似ている

ネットやSNSで「業務スーパーのPB商品を使ったレシピ」が大きな話題になり、口コミで飛ぶように売れる状況が続いている。ハナマサ太公は「こだわり生フランク」、菊川は「菊川の鬼ころし」、朝びき若鶏は「上州高原どり」などのヒットPB商品を生み出した。

実はこうしたM&Aの対象となったのは、経営不振の中小企業。だから買収金額は安い。2008年3月以降に発表された12件の買収案件のうち、最高額は菊川の5000万円。買収当時の同社の純資産は△3億7500万円の債務超過状態だった。中には0円の案件も3件ある。いわば「買い物上手」のM&Aで、競争力の強化を実現しているのだ。

神戸物産のPBは他店にないユニークな商品が多く、来店客にとっては「新鮮な発見」があるという。同様のビジネスモデルで有名なのが、良品計画<7453>が展開する無印良品だ。同社は常に大量の新商品を開発して商品棚を入れ替え、「いつ来ても新しい商品がある」と顧客を飽きさせない。顧客は「必要な商品を買うため」ではなく、「面白い商品を見つけるため」に来店するのだ。

同じビジネスモデルだが、神戸物産の「業務スーパー」が値上げを選択したのに対して、良品計画の「無印良品」は「業務スーパー」と同時期に同じ約200品目を値下げしている。「体にフィットするソファ・本体」は9990円から7990円、「羽根まくら」を1190円から690円など値下げ幅が大きいものも。

その結果、良品計画の2022年8月期第2四半期決算では売上高こそ2445億円と同7.1%増だったものの、営業利益は189億円と同19.4%減に落ち込んだ。値下げで売上高は向上したものの、原材料費値上げなどのコストアップを吸収できず減益に終わった。同じビジネスモデルでありながら、値上げか値下げかで別れた神戸物産と良品計画。第1ラウンドは神戸物産に軍配があがったようだ。

業務スーパーと同じくPB戦略で差別化する無印良品は「値下げ」を選んだが…(良品計画ホームページより)

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