作業服専門店のチェーン展開を行うワークマン<7564>の2019年8月の売上高が前年比159.5%と、驚異的な数字をたたき出しました。ファーストリテイリング<9983>は109.5%、しまむら<8227>が101.4%なので、ワークマンの売上がいかに突出しているかがわかります。
同社の8月の客数は前年比138%、客単価が115.5%となっており、どちらも二桁増という荒業を成し遂げました。要因は2つあります。一つは酷暑による空調ファン付作業着など、冷感機能を持たせた商品の売れ行きが好調だったこと。もう一つはカジュアル路線のワークマンプラスのラインナップが伸びていることです。
ワークマンは2019年3月期の売上高が669億6900万円、営業利益が135億2600万円の企業です。規模は決して大きくありませんが、9月4日に時価総額で売上高7000億円のローソン<2651>を抜きました。株価はうなぎ上りです。
9月9日に年初来高値となる7,080円をつけ、上場来高値の10,410円が視野に入っています。同社株は6月27日に4,615円の安値をつけていました。ここ2カ月ほどで1.5倍に上昇したことになります。
株が買われている背景には、2020年3月期の業績予想が保守的なことが挙げられます。売上高は9.5%増の733億6000万円、営業利益は11%増の150億1000万円と予想。上振れへの期待感が株価を押し上げているのです。
月次売上高の推移を見れば、それも納得できます。
【ワークマン全店月次前年比】
売上高 | 客数 | 客単価 | |
---|---|---|---|
4月 | 121.9% | 117.7% | 103.6% |
5月 | 136.1% | 132.1% | 103.0% |
6月 | 140.2% | 132.6% | 105.8% |
7月 | 119.8% | 115.3% | 103.9% |
8月 | 159.5% | 138.0% | 115.5% |
※ワークマン月次売上より
驚くべきは、新店舗を含まない既存店の8月売上高も154.7%となっていること。出店効果によって増収を達成しているのではなく、客数と客単価でしっかりと伸ばしているのです。
ワークマンは2020年3月期第1四半期において、作業着カテゴリの売上高が90億円で前年同期比33.2%増となりました。熱中症対策のファン付作業着が好調で、この商品は昨年と比べて121.4%増という桁違いの伸びを記録しています。この流れは8月の酷暑で加速しました。