米電気自動車(EV)大手テスラの時価総額が2020年1月22日に約1027億ドル(約11兆2500億円)と1000億ドルの大台を突破し、世界の自動車業界でトヨタ自動車<7203>に次ぐ世界2位に躍り出た。これまで2位だった独フォルクスワーゲン(時価総額約996億ドル=約10兆9000億円)は3位に後退している。

テスラは同月に初の海外工場となった上海で生産する量販EV「モデル3」の出荷がスタート。世界最大の自動車市場である中国での販売が本格化するのを受けて株価が上昇していた。米中貿易摩擦もひとまず落ち着いたことから、今後も株価の上昇が期待できそうだ。

そうなると気になるのは、時価総額でトヨタとのトップ交代があるかどうかだ。時価総額をみると同24日(米国時間の同23日)のトヨタは約25兆6900億円、テスラは約1031億3600万ドル(約11兆3000億円)なので、まだ倍以上の開きがある。当面、トヨタのトップは揺るぎそうにない。

では、他の日本車メーカーとの比較ではどうか。同日の時価総額では国産車メーカー2位のホンダ<7267>が約5兆3600億円と、テスラの半分以下。同3位の日産自動車<7201>は「ゴーン・ショック」による経営の混乱や業績の低迷を受けて約2兆6000億円にまで落ち込んだ。テスラの4分の1以下だ。国内でみても軽自動車メーカーのスズキ<7269>の2兆3500億円や、かつて日産の傘下にあったSUBARU(スバル)<7270>の2兆1300億円が背後に迫っている。

時価総額が1兆円を超えているメーカーはここまで。日産傘下の三菱自動車<7211>は約6300億円、マツダ<7261>は約6000億円だ。テスラの時価総額はトヨタを除く全国産乗用車メーカーの合計(約13兆6700億円)に迫る勢いだ。

テスラの世界販売台数は前年の約1.5倍と急増した2019年ですら、ようやく36万7515台。時価総額ではテスラの約19分の1にすぎないマツダの2018年世界販売が161万台だったことを考えれば、いかに株式市場でテスラの評価が高いかが分かる。時価総額が企業の実力と完全に一致するわけではないが、「自動車立国」の日本にとってはEV専業であるテスラの時価総額は気になるところだ。

文:M&A Online編集部