2019年のM&A(841件)のうち東京都、神奈川県、愛知県、大阪府の4大都府県を除く地方都市エリアで、買収の対象となった企業数を比較したところ、福岡県が19件でトップとなった。2位が埼玉県の13件、3位が12件で京都府と兵庫県が並んだ。 

全上場企業に義務づけられた東証適時開示情報のうち、経営権の移転を伴うM&A(グループ内再編は除く)について、M&A Online編集部が集計した。

業績が悪化し、救済目的で買収されるケースは少なくはないが、多くはシナジー効果を狙った前向きなM&Aが占める。救済目的であっても再建のめどが立たない企業には、買い手はつかない。 

こうした状況を踏まえると買収の対象となった企業が多い府県は経済規模が大きく、活発な経済活動が展開されていることがうかがえる。 

また静岡県以西を西日本、神奈川県以東を東日本として集計したところ、西日本が125件、東日本が84件となった。この結果から、西日本の経済が東日本よりも好調だったと推測される。上位5府県のM&A案件を見てみると。 

IT・ソフトウエア業界で5件

買収対象企業数がトップとなった福岡県ではIT・ソフトウエア業界で5件のM&Aがあった。このうち電子カルテシステム販売、ドラッグストア向け販促支援といった医療関係が2件あったが、他は業種の集中は見られなかった。 

IT・ソフトウエア業界に次いで多かったのがその他サービス、その他小売、介護・福祉、陸運業で、それぞれ2件ずつを占めた。 

福岡県の県庁所在地である福岡市は人口増加が続いており、2015年の国勢調査で人口が神戸市を上回り、全国5位の大都市となった。その勢いがそのまま数字に現れたようだ。 

件数2位の埼玉県で最も件数が多かったのは住宅・不動産で3件に達した。次いで百貨店・スーパー・コンビニが2件と複数だったほかは、業種による偏りはなかった。 

3位の兵庫県は繊維製品2件、その他製品2件がトップで、京都府のトップはその他サービスの3件だった。製造業の集積する兵庫県、観光地の京都府というイメージがそのまま現れた形となった。 

5位は千葉県と長野県が11件で並んだ。千葉県は住宅・不動産、専門商社がそれぞれ2件ずつでトップとなった。長野県はすべて異なる業種で、製造業と非製造業もほぼ半数ずつだった。

【地方都市エリアでの買収の対象となった企業数ランキング】

順位道府県件数
1 福岡県 19
2 埼玉県 13
3 兵庫県 12
3京都府 12
5 長野県 11
5千葉県 11
7 北海道 10
7広島県 10
9 岐阜県 8
9静岡県 8
9宮城県 8

文:M&A Online編集部