2日後に迫った8月2日開催予定のアスクル<2678>株主総会に向け少数株主の奪い合いが表面化してきた。資産運用会社のレオス・キャピタルワークスは7月29日にアスクルの岩田彰一郎社長の取締役再任に反対する意向を示した。

同社はヤフー<4689>が発表したプレスリリース(7月29日)の中で、「アスクルの業績向上および株価向上のため、8月2日開催の株主総会に係る議決権行使についてのヤフーの判断を支持します」とのコメントを公表した。

アスクル株の約45%を保有するヤフーは7月24日にインターネットを用いた方法で岩田社長の再任に反対の議決権を行使していた。同じく約11%を保有するプラスもヤフーと歩調を合わせて反対の議決権を行使しており、このヤフー、プラス陣営に新たにレオス・キャピタルワークスが加わることになった。

株主総会後の新体制の発足に期待

M&A Onlineが構築した大量保有データーベースで調べたところ、レオス・キャピタルワークスが2012年以降に提出した大量保有報告書には、アスクル株式が含まれていないため、保有割合は5%に達していないと思われる。

それでもレオス・キャピタルワークスによる岩田社長の取締役再任への反対表明は株主総会後の新体制に関して大きな意味を持つ。

アスクルは7月25日のプレスリリースで「株主の皆様におかれましては、第 56 回定時株主総会における議決権をご行使いただき、そのご意思のご表明をいただきたく、何卒、よろしくお願い申し上げます」と少数株主に対し、岩田社長の取締役再任に賛成するように求めていた。

ヤフー、プラスの合計のアスクル株の保有割合は約56%となるため、岩田社長の取締役再任の否決は確定的だが、多くの少数株主が取締役再任に賛成すれば、取締役は外れても、何らかの形で経営にかかわることが考えられる。

しかし、レオス・キャピタルワークスのようにヤフーの判断を支持する少数株主が増えてくれば、岩田社長がアスクルの経営にかかわることは難しくなってくる。

レオス・キャピタルワークスはヤフーの判断を支持するコメントの中で「本株主総会以降、速やかにアスクル(および大株主であるヤフー)が適切なガバナンス体制を構築されることを期待するとともに、少数株主の利益の確保が果たされているかを注視していきます」と新体制の発足に対し期待を寄せている。

現体制による経営継続を支持する機関投資家も

一方、アスクルは7月29日のヤフーのプレスリリースに対するアスクルの考えを同じく7月29日に公表。この中で、機関投資家から一般の株主まで、多くの応援が届いているとしたうえで「弊社は岩田社長でなければ、今後更に長期的に業績を低迷させていた可能性が高いと判断しております」との現体制による経営継続を支持している機関投資家の声を紹介している。

M&A Onlineの大量保有データーベースによると、アスクル株については、2012年5月31日に野村證券が4.25%を、2014年8月25日に三菱UFJフィナンシャル・グループが4.67%を、2019年1月22日にオッペンハイマーファンズ・インクが4.64%を保有していた。

こうした株主が賛成、反対どちらに投じるのか。賛否の割合によっては総会後の新体制の行方が左右されることになりそうだ。

文:M&A Online編集部