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高島屋、自社物件の立川店から撤退!進む百貨店の「不動産業化」
高島屋が立川高島屋ショッピングセンター内に出店する「高島屋立川店」の営業を2023年1月に終了する。同店は2018年に同店の売場を縮小し、専門店を誘致して現在のショッピングセンターにリニューアルした。百貨店事業から撤退した高島屋の狙いは?
セブン&アイ・ホールディングスは2006年6月に当時のそごうと西武百貨店の持株会社であるミレニアムリテイリンググループを2,000億円超で子会社化しました。買収をけん引したのは、小売の神様と呼ばれたセブン&アイの元CEO鈴木敏文氏です。
しかし、百貨店の業績は回復せず、2009年ごろからは不採算店を閉店する徹底的な大改革へと乗り出します。それでも再生が成功することはなく、2016年4月に鈴木敏文氏が退任を表明。船頭をなくした百貨店事業は推進力を失います。そこに新型コロナウイルス感染拡大という脅威がやってきました。
セブン&アイの百貨店事業は2021年2月期に174億4,400万円、2022年2月期に81億5,300万円のセグメント損失をそれぞれ出しています。国内外のコンビニ、スーパー、金融事業が軒並み黒字となる中、百貨店だけが大赤字を出しています。売却という流れは自然なものでした。
そごう・西武の売却にはフォートレス、ローン・スター、シンガポール政府系投資ファンドGICが応札したと言われています。百貨店は事業としての価値を失っており、不動産価値に注目が集まっています。特に西武池袋本店、西武渋谷店、そごう横浜店は好立地であることから早期の黒字化が見込める店舗です。
フォートレスは、西武池袋本店にヨドバシカメラを入店させる提案をしていると見られています。
黒字化が難しいのが、所沢や秋田、福井などの地方にある百貨店。雇用を守るという観点から、閉店という選択はとりづらいのも事実です。
鈴木敏文氏ですら再生できなかった、そごう・西武の行く末に注目が集まります。
麦とホップ@ビールを飲む理由
高島屋が立川高島屋ショッピングセンター内に出店する「高島屋立川店」の営業を2023年1月に終了する。同店は2018年に同店の売場を縮小し、専門店を誘致して現在のショッピングセンターにリニューアルした。百貨店事業から撤退した高島屋の狙いは?