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大赤字が続く出前館は配達員の報酬を引き下げるのか?
出前館の2022年8月期第2四半期は224億2,200万円の営業損失となりました。前年同期間は85億4,300万円の営業赤字で、100億円以上赤字幅が拡大したことになります。出前館は50%近いシェアを獲得しており、黒字化を目指す次のステージが見えてきました。
フードデリバリーサービス「出前館」を運営する出前館<2484>は、デリバリー専用業態のゴーストレストラン事業「DeKitchens」(ディーキッチンズ)の本格展開に乗り出した。
コロナ禍で、デリバリーに対するニーズが膨らんでいるため同事業に注力することにしたもので、現在の60店舗を、2022年中に一気に5倍の300店舗にまで拡大する。
同社はコロナ禍の中、売り上げが急拡大しているものの、先行投資がかさみ2022年8月期の営業損失は前年度の3倍ほどに当たる500億-550億円を見込む。ゴーストレストラン事業は赤字拡大に歯止めをかけることができるだろうか。
DeKitchensは、出前館が食品メーカーなどと開発したメニューを、参加施設や店舗に提供し、調理を委託する事業で、食材費や包材費などの多くを出前館が負担するため、参加施設や店舗は調理器具などの設備が整っていれば、コストをかけずに参入することができる。
コロナ禍で、デリバリーの需要が増えているものの、ゴーストレストランは、作り手が見えないことから売り上げが伸び悩む店舗が少なくないため、今回の仕組みを取り入れた。
提供するのは、全国のご当地ラーメンや、有名店のラーメン、唐揚げ、台湾料理、ハンバーグなど。
ラーメンは、その地に行かなければ食べられないのを、好きな場所で頼むことができるのが売りで、開発には出前館の加盟店が協力した。BSよしもと「突撃デリバリー団!」とコラボし、5月29日から6月11日までは、番組内で紹介したラーメンを半額で提供する。
唐揚げは、単品のほかにも唐揚げ丼、南蛮タルタルを提供。さらに、台湾料理は屋台で定番のコンジーやルーローハン、中華粥などを、ハンバーグは定番のデミグラスから、和風おろし、ガーリックソースなどを用意した。
出前館の事業は拡大を続けており、2019年8月期に66億6600万円だった売上高は、2021年8月期には290億800万円に急増した。その一方で、損失も拡大し2019年8月期に3900万円だった営業損失は2021年8月期には179億9100万円に膨らんでいる。2022年8月期の営業損失は前年度の3倍ほどに悪化する見通しだ。
現在、出前館の加盟店舗数は10万店以上で、フードデリバリーサービスのほかにも日用品の配達なども手がけている。今回のゴーストレストラン事業をはじめ今後も、フードデリバリーを中心にさまざまなサービス事業に取り組む計画という。
新規事業への先行投資状況によっては、赤字がさらに膨らむ可能性もありそうだ。
文:M&A Online編集部
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出前館の2022年8月期第2四半期は224億2,200万円の営業損失となりました。前年同期間は85億4,300万円の営業赤字で、100億円以上赤字幅が拡大したことになります。出前館は50%近いシェアを獲得しており、黒字化を目指す次のステージが見えてきました。