コロナに見舞われたトヨタを減収減益から救った「孝行息子」とは

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持ち分法適用会社の利益と株売却で当期利益を底上げか

2021年3月期の「持分法による投資損益」は、前期比13.1%増の3510億円。2021年3月期決算報告書によると、トヨタの持ち分適用会社はデンソー<6902>やSUBARU<7270>、豊田自動織機<6201>など、ジョイントベンチャー(共同出資)を含めて169社が存在する。

主な持ち分法適用会社
社名

本社所在地

事業内容 資本金(億円) 議決権所有割合(%)
デンソー 愛知県刈谷市 自動車部品
1874.57
24.57%
SUBARU 東京都渋谷区 自動車
1537.95
20.04%
豊田自動織機 愛知県刈谷市 織機・自動車部品
804.62
24.92%
アイシン精機 愛知県刈谷市 自動車部品
450.49
24.96%
アイシン・エィ・ダブリュ 愛知県安城市 自動車部品
264.80
39.65%
ジェイテクト 大阪市 自動車部品
455.91
22.73%
豊田合成 愛知県清須市 自動車部品
280.27
43.04%
愛知製鋼 愛知県東海市 自動車部品
250.16
24.49%
トヨタ紡織 愛知県刈谷市 自動車部品
84.00
39.57%
豊田通商 名古屋市 商社
649.36
22.05%
東和不動産 名古屋市 資産管理会社
594.5
24.46%

(トヨタ2020年3月期有価証券報告書より)

トヨタが2021年3月期から採用した国際会計基準(IFRS)の表示科目である「その他金融収益」には、受取利息や受取配当金、有価証券利息、有価証券評価益、不動産賃貸料などがあるが、決算資料からは具体的な内訳が分からない。

ただ、米国会計基準を適用していた2020年3月期は「その他金融収益」に当たる3058億円のうち76.1%に当たる2328億円が「受取利息および受取配当金」だった。ただ、ゼロ金利が続く状況下で受取利息が増加するとは考えにくい。大半は受取配当金と考えるのが妥当だろう。

一方、2021年3月期には持ち分法適用会社数が前期比で30社も減少していることから、関連会社株の売却が当期利益増に貢献した可能性も十分にあり得る。トヨタは持ち分法適用会社という「孝行息子」たちに助けられて、当期利益の減益を食い止めたといえそうだ。

文:M&A Online編集部

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