社名変更を繰り返すのは「異端」企業?

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社名変更で飛躍を期す…(写真はイメージです)

今年に入り上場企業の社名変更は20社を超える。ソニーは63年ぶり、楽天は22年ぶりの社名変更で何かと話題となったが、一方で社名変更を頻繁に繰り返すところもある。

5度目の社名変更となったのが東証2部上場で住宅・不動産関連のクレアホールディングス(HD)。同社は4月21日付で「中小企業ホールディングス」としてスタートした。4月1日には東証1部上場でアパート開発のTATERUが「Robot Home」に社名変更したが、こちらは4度目だ。

会社の信用力の源泉でもある社名を取り換えるのにはそれなりの理由があるに違いないが…。

ソニー、楽天は「司令塔」機能を明確に

社名変更は企業イメージの刷新やブランド力の向上を狙いに周年事業の一環として行われることが多いほか、持ち株会社制への移行や経営統合などを受けて計画されるのが一般的。

ソニーは「ソニーグループ」、楽天は「楽天グループ」に変更(4月1日付)したが、いずれも複合企業化したグループ全体の司令塔機能の位置づけを明確にするのが眼目だ。なかでもソニーは1958年に製品ブランド名の「ソニー」と社名を統一して以来、63年ぶりの変更となった。

ソニーはエレクトロニクスを起点にゲーム、音楽、映画、金融などに事業領域が広がっている。楽天も同様で、祖業のEC(電子商取引)分野にとどまらず、金融、通信、プロスポーツなどに及ぶ。

一方で、今年のここまでの社名変更企業の中で、異端に映るのがクレアHDとTATERUのケースだ。

旧経営陣解任し「中小企業HD」に変更

クレアHDは1965年に賃貸住宅販売を目的に大阪市に設立された高杉建設を前身とする。キーイングホーム(1996年)、千年の杜(2004年)、東邦グローバルアソシエイツ(2008年)、クレアHD(2010年)を経て、今回、「中小企業ホールディングス」に社名を改めた。

同社は1997年に当時の大証2部(現東証2部)に上場。5度の社名変更のうち、上場以降だと4度目となる。この間、事業内容は住宅・不動産関連は縮小し、コスメティック、エンターテインメント、広告などに比重が移ってきたが、成長の核となる事業が定まらず、万年赤字による極度の経営不振に陥っている。

主要株主の求めで開かれた4月21日の臨時株主総会では、株主提案の通りに経営陣の解任・刷新と社名変更の議案が可決された。新生・中小企業HDの名の下で、どう再建を進めるのか注目される。

設立から15年、4度目は「Robot Home」

会社設立から15年余りで社名変更が4度目となったのはTATERUから変更したRobot Homeだ。3年前の2018年4月にアパート事業のサービス名であるTATERUに社名を変更したが、今回は子会社で使っていた名前を親会社名に“昇格”させた。

同社は前身のフルキ建設として2006年1月に福岡市で設立。その後、インベスターズ、インベスターズクラウドと名前を変え、2015年にマザーズに上場(翌年、東証1部)した。しかし、TATERUに変更した2018年に投資用アパート物件の営業を巡って顧客の預金残高を改ざんするなどの不祥事が発覚し、信用回復に追われてきた。3年を一つの区切りにした社名変更だが、今回も先進的でおしゃれなイメージの社名にこだわったようだ。

文:M&A Online編集部

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