TOYOTA INDUSTRIES CORPORATION
2025年上期のTOB(株式公開買い付け)件数は前年同期を27件、率で66%上回る68件(届け出ベース)に達した。例年、下期にペースが上がることを踏まえれば、今年は年間150件を超える勢いで、過去最多を大幅更新する可能性が高まっている。
2025年上期(1~6月) のM&A件数は660件と前年を53件上回り、上期として7年連続の増加となった。年間件数も2年連続で過去最多を更新する公算する大きい。取引金額は12兆円を超え、上期・下期を問わず、半期で初めて10兆円を突破した。
トヨタグループによる豊田自動織機のTOBに異論が噴出している。最大の理由はTOB価格の低さ。公表前日の終値1万8260円を10.73%下回る1万6300円。業績が著しく低迷している企業以外でディスカウントTOBが実施されるのは極めて異例だ。
トヨタグループが源流企業である豊田自動織機の非公開化に乗り出した。背景には短期的な市場の論理から脱し、創業家の長期ビジョンを軸とした「一枚岩経営」への回帰という深層がある。グループの再編を主導するのはトヨタ会長で創業家出身の豊田章男だ。
2025年のM&A金額が早くも10兆円(適時開示ベース)の大台を突破した。6月初めに発表された豊田自動織機をめぐる4.7兆円規模の買収案件を受け、今年の累計は12兆円に。2018年の年間13兆8400億円を超え、記録更新が確実視される。
「孝行息子が親を救った」と言えそうだ。トヨタ自動車の2021年3月期連結決算は新型コロナウイルス感染症のパンデミックに見舞われながらも、当期利益は前期比10.3%増の2兆2452億円と2ケタ増になった。その原動力になったのは持ち株会社だった。
ホンダが系列サプライヤーの再編に動き出した。ホンダが筆頭株主となっているケーヒン、ショーワ、日信工業の3社に対してTOB(株式公開買い付け)を実施して完全子会社化した上で、日立オートモティブシステムズが3社を吸収合併する。その狙いと戦略は?
トヨタ自動車系列のサプライヤーが苦境に追い込まれている。豊田章男社長は「新型コロナはリーマン・ショックを上回る危機だが、コスト削減で今期の連結営業利益で黒字を確保できる」と断言した。その矢面に立つのはトヨタに部品を納入する部品メーカーだ。
日本通運がM&Aで新分野に挑戦している。国内最大手の日通も成長市場の宅配便で惨敗し、自社が得意とする法人輸送も国内外の物流会社から「侵略」を受けている。日進月歩の物流業界で生き残り、競合他社を出し抜くにはスピードが必要。そのためのM&Aなのだ。
2017年もあとわずか。今年発表された高額案件のIN-OUT型M&Aをまとめてみた。面白いほど企業の戦略が透けて見える。
警備業界はM&Aが活発な業界のひとつである。とりわけ、インフラ整備など大がかりな設備投資が求められ、スケールメリットを享受しやすい機械警備が主流になるにつれ、M&Aに乗り出す企業が続出している。
豊田自動織機は、トヨタグループ創始者である豊田佐吉氏が自身で開発した自動織機の製造販売を目的として、1926年(大正15年)に設立された。いわばトヨタグループの源流をなす会社である。2016年で創業90年を迎えたが、果たして、日本を代表する大手企業の源流にある会社は、いかなる発想や手法でM&Aを推進してきたのか。