また新しいワクチンが登場「藤田医科大学」が臨床試験を開始

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写真はイメージです

藤田医科大学(愛知県豊明市)と米国のバイオ企業エリクサジェン・セラピューティックス(メリーランド州)は2021年5月25日に、エリクサジェンが開発中の新型コロナワクチンの第1/2相臨床試験を始めた。

新型コロナウイルスの表面にある、細胞に取り付くためのたんぱく質(スパイクたんぱく質)の先端部分にある結合部位のたんぱく質を作り出すことで免疫力を付ける「RNAワクチン」で、体温によって活性が変わる温度感受性を持つ。

すでに特例承認を得ている米ファイザーや米モデルナの「mRNAワクチン」や、英アストラゼネカの「ウイルスベクターワクチン」とはタイプが異なる。

エリクサジェンによると、同社のワクチンは「用量が少なくて済み、安全性が高い」としており、今後東京都内に子会社を立ち上げ、日本での開発と供給の準備を進めるとしている。

温度感受性を持つRNAワクチンとはどのようなものなのか。

皮内でワクチンを生産

藤田医科大が始めた臨床試験では20~55歳の健康成人60人を対象に、安全性と免疫原性(免疫反応を引き起こす性質)の確認を行う。

次のステップである第3相臨床試験につなげることを目指しており、国立研究開発法人・日本医療研究開発機構の支援を受けている。

同ワクチンは通常の皮膚温度(33度C)では効果があるが、体の内部の高い体温(37度C)では効果がなくなるという温度感受性を備えており、体温の高い臓器などで副作用が発生する可能性が低いという。

さらにスパイクたんぱく質全体を用いたワクチンでは、副作用が報告されているが、同社のワクチンは結合部位のたんぱく質(抗原)だけで免疫力を得る仕組みのため安全性が高い。

また皮内注射とRNAに関する特殊な技術を用いており、mRNAワクチンよりは用量を抑えることが可能という。

先行ワクチンはmRNA型

ワクチン接種で先行しているファイザー製のワクチンと、大規模接種センターで使用されているモデルナ製のワクチンは、たんぱく質を生成するための情報を運ぶ遺伝子であるmRNAを用いる。

アストラゼネカのワクチンは、複製できないように処理したチンパンジー由来の風邪のウイルスであるアデノウイルスを用いる。

藤田医科大は併設する藤田医科大学病院で、新型コロナウイルス感染症患者の診療や治療薬・治療方法の開発に取り組んでいる。

エリクサジェンは2017年5月に設立した遺伝性疾患やワクチンの開発、製品化を進めている企業で、今回の新型コロナワクチンは2020年3月に開発に着手した。

文:M&A Online編集部

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