牛丼「松屋」の原価と人件費の比率が改善 

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写真はイメージです

牛丼チェーン店「松屋」を展開する松屋フーズホールディングス<9887>の2021年3月期の業績が、2021年2月に発表した2021年3月期第3四半期時点の予想よりも好転した。

同社が2021年5月10日に発表した2021年3月期決算によると、売上高はほぼ予想通りで、赤字予想だった経常損益が黒字化したほか営業損益、当期損益はいずれも赤字幅が縮小した。

助成金を計上したことや、売上原価と人件費の合計の売上高に対する比率が、2021年3月期第3四半期時点よりも改善したことなどが要因だ。

2021年3月期第4四半期(2021年1~3月)に収益力が高まったわけだが、2022年3月期はこの状況を維持し、さらに好転することができるだろうか。

改善の兆しも業績予想は未定

松屋フーズホールディングスの2021年3月期の売上高は944億1000万円(前年度比11.4%減)で、営業赤字は16億8300万円、経常利益は3300万円、当期赤字は23億7600万円となった。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、店舗の売上高が2020年4~9月の上期は前年同期比84.7%、2020年10月~2021年3月の下期は同89.6%と前年実績を下回ったことから採算が悪化し、営業赤字を余儀なくされた。

ただ2021年3月期第3四半期時点の通期予想は売上高が950億円、営業赤字は22億円、経常赤字は19億円、当期赤字は26億円の見込みだったため、わずか3カ月で損益が大きく改善したことになる。

経常損益が黒字化したのは助成金などを約14億円計上したのが大きい。営業損益は売上原価と人件費の合計の売上高に対する比率が、2021年3月期第3四半期時点よりも0.3ポイント改善し68.3%となったことが効いた。

仕入れなどの原価が売上高に占める割合を示す原価率は2021年3月期第3四半期時点の33.8%から33.6%に下がっており、これに人件費の抑制が加わった。

同社では2022年3月期の業績予想については、新型コロナウイルス感染症が業績に与える影響を算出することが困難として「未定」としている。

2021年3月期の下期に売上高が回復傾向を示しており、これに伴って収益力も改善しているものの、酒類の提供自粛や休業、時短営業などが続いているため未定の判断を下したという。

【松屋フーズホールディングスの2021年3月期の予想と実績】単位:億円

2021年3月期予想
(2021年2月3日発表)
2021年3月期実績
(2021年5月10日発表)
売上高 950 944.1
営業損益 △22 △16.83
経常損益 △19 0.33
当期損益 △26 △23.76

文:M&A Online編集部

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