やっぱり強かった牛丼「すき家」ゼンショーが今期コロナ越えに

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写真はイメージです

牛丼チェーン「すき家」を運営するゼンショーホールディングス(HD)<7550>の国内の外食事業で、明暗がくっきりと表れた。

同社が2021年5月14日に発表した2021年3月期決算によると、「すき家」の売上高が前年度比1%台の微減に留まったのに対し、「ココス」「ビッグボーイ」「ジョリーパスタ」などのレストラン事業は、同20%を超える大幅な減収となった。

回転ずし「はま寿司」などのファストフード事業は牛丼とレストランの中間に位置する同7%強の減収で、牛丼の強さが際立った格好だ。

同社の2022年3月期は売上高、営業利益、経常利益がコロナ前の2020年3月期の実績を上回る見込みで、大打撃を受けた外食産業にあって、いち早く日常を取り戻せる企業となりそうだ。

店舗の増加が下支え

ゼンショーHDの2021年3月期の売上高は5950億4800万円で、前年度比5.6%の減収となった。このうち国内の外食事業では牛丼事業が2162億4300万円で、同1.6%の減収だった。

新製品やテイクアウト商品の投入を進めたほか、店舗数が67店舗増え(112店舗出店、45店舗閉店)3064店舗となったことなどが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う外出自粛や時短営業要請などによる影響を軽微に抑えた。

レストラン事業の売上高は941億9200万円で、同21.8%の減収となった。メニューの見直しやサービスの向上などに取り組んだものの店舗数が97店舗減少(出店43店舗、閉店140店舗)し、1265店舗になったことなどが響き、大幅な減収となった。

ファストフード事業の売上高は1385億7800万円で、同7.7%の減収となった。「はま寿司」の積極的な出店やテイクアウト商品の拡充などに取り組んだもののコロナ禍の影響を排除しきれなかった。店舗数は24店舗増え(出店35店舗、閉店11店舗)957店舗となった。

【ゼンショーHDの2021年3月期の事業別の売上高と店舗数】単位:億円

牛丼 レストラン ファストフード
売上高 2162.43 941.92 1385.78
売上高の前年度比(%) -1.6 -21.8 -7.7
店舗数 3064 1265 957
店舗の増減数 67 -97 24

コロナ前を上回る利益に

ゼンショーHDの2022年3月期の売上高は6880億6300万円で、前年度比15.6%の増収を見込む。新型コロナウイルス感染症の収束時期が依然不透明としながらも、「食材調達から製造、物流、店舗での販売まで一貫して設計・運営を行う強みを活かして成長を続ける」として、コロナ前の2020年3月期の売上高約6304億円を500億円以上上回る目標を掲げた。

営業利益は225億1600万円で同86.3%の増益を、経常利益も207億8900万円で同70.2%の増益を見込み、いずれも2020年3月期の実績を上回る。当期利益については同約4倍の91億3900万円と急回復するものの、2020年3月期実績には20億円ほど届かない見込みだ。

【ゼンショーHDの業績推移】単位:億円、2022年3月期は予想

2020年3月期 2021年3月期 2022年3月期
売上高 6304.35 5950.48 6880.63
営業利益 209.18 120.88 225.16
経常利益 199.03 122.15 207.89
当期利益 119.78 22.59 91.39

文:M&A Online編集部

M&A Online編集部

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