赤字に転落した回転ずしの「カッパ」と「元気」が復活の狼煙

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元気寿司が展開する「魚べい」

3月期決算の回転ずしチェーンのカッパ・クリエイト<7421>と元気寿司<9828>決算が出そろった。両社ともに2021年3月期は赤字に陥ったが、2022年3月期はそろって黒字転換を見込む。

カッパ・クリエイトは営業利益と当期利益が、元気寿司は売上高と当期利益がそれぞれコロナ前の2020年3月期の実績を上回る。

回転ずし業界では、くら寿司<2695> が新型コロナウイルス感染症収束の見通しが不透明として業績予想を「未定」としているものの、「スシロー」を展開する最大手のFOOD & LIFE COMPANIES<3563>は売上高をはじめ利益が全段階でコロナ前の実績を上回る予想を公表しており、銚子丸<3075>も前年実績に迫る業績を予想する。

回転ずし業界では多くの企業がコロナ禍を乗り越え、平時を取り戻しつつあるといってよさそうだ。

ワクチン接種の効果見込む

カッパ・クリエイトの2021年3月期は、売上高が前年度比13.3%の減収(648億8100万円)となり、営業損益、経常損益、当期損益はいずれも10億円を超える赤字に転落した。新型コロナウイルス感染症の拡大で外出の自粛や時短営業などにより来店客数が減少したのが要因だ。

2022年3月期についても新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない状況にあるが、テイクアウト、デリバリーの取り組みを強化するとともに、ワクチン接種の効果などによって店内飲食も回復すると判断。

売上高はコロナ前の2020年3月期実績(748億1400万円)に近い738億6600万円を見込む。利益も営業利益が11億1900万円(2020年3月期は10億5700万円)、経常利益が11億7100万円(同15億2900万円)、当期利益が14億4600万円(同2億6700万円の赤字)と、全段階で10億円を超える見込みだ。

元気寿司の2021年3月期は売上高が前年度比11.9%の減収(382億5200万円)となり、営業損益、経常損益、当期損益はいずれ4億円台の赤字に転落した。カッパ・クリエイト同様、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で来店客数が減少したのが響いた。

2022年3月期は売上高がコロナ前の2020年3月期の実績(434億3500万円)を上回る468億8000万円を見込む。営業利益は17億6000万円(2020年3月期は19億7100万円)、経常利益は17億4000万円(同20億1100万円)、当期利益は13億円(同2億9200万円)と、利益は全段階で10億円を上回る見込み。

スシローはコロナ前を上回る

決算期が異なるものの、FOOD & LIFE COMPANIESは2021年9月期に売上高が2506億円(2019年9月期は1990億8800万円)、営業利益が173億円(同145億4600万円)、税引き前利益が163億円(同143億6300万円)、当期利益105億円(同99億5900万円)といずれもコロナ前を上回る見込み。

銚子丸の2021年5月期は、売上高が179億5100万円(2019年5月期は193億1600万円)、営業利益6億7200万円(同9億3700万円)、経常利益7億900万円(同9億8200万円)、当期利益3億5800万円(同5億500万円)の予想で、コロナ前の2019年5月期には届かないものの、V字回復を見込む。

緊急事態宣言の拡大、延長に伴い、外食産業では居酒屋などの酒類を提供する店舗を中心に業績回復の筋道が見えない状況にある。そうした中、回転ずしには、いち早くコロナ前に戻る兆しが表れており、コロナ後の景気回復をリードする一つの業界として関心が集まりそうだ。

【主な回転ずしの業績予想】単位:億円

カッパ・クリエイト 元気寿司 FOOD & LIFE COMPANIES くら寿司 銚子丸
決算 2022年3月期 2022年3月期 2021年9月期 2021年10月期 2021年5月期
売上高 738.66 468.8 2506 未定 179.51
営業利益
(税引き前利)
11.19 17.6 173 未定 6.72
経常利益 11.71 17.4 163 未定 7.09
当期利益 14.46 13 105 未定 3.58

文:M&A Online編集部

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