「スシロー」のコロナ越えが鮮明に 過去最大の創業祭を計画

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回転ずし店スシローを展開するFOOD & LIFE COMPANIES<3563>の「コロナ越え」が鮮明になってきた。

同社が5月6日に発表した2021年9月期第2四半期決算(上期=2020年10月~2021年3月)が、上期業績としては売り上げ、利益ともに過去最高を更新し、コロナ前を上回る数字を掲げた2021年9月期の業績予想に現実味がでてきたのだ。

同社は新型コロナ感染症拡大の影響で見通しが難しいとして、当初の通期予想を据え置いたが、上期の営業利益は通期予想の75%に達しており、当初予想を大きく上回る可能性も出てきた。

スシローは、どのような対策でコロナ越えを実現しようとしているのか。

50%を超える大幅増益に

FOOD & LIFE COMPANIESの2021年9月期第2四半期決算は売上高が前年同期比110.1%にとどまったものの、利益の方は営業利益が同159.2%、税引き前利益が同157.5%、当期利益が同152.7%と、いずれも50%を超える大幅増益となった。

これら数字は通期予想に対し、売上高は47.6%とまだ半分程度に留まっているものの、営業利益は75.8%、税引き前利益は76.2%、当期利益は73.9%といずれも70%を超える進捗率となっており、通期予想達成に向け好位置につけている。

さらに下期入りした2021年4月についても、既存店売上高は前年同月比179.6%と好調で、コロナ禍前の2019年の同月比でも99.9%と、ほぼコロナ前の水準に戻っており、通期予想をクリアできる可能性は高い。

通期の予想数字をコロナ禍前の2019年9月期と比べると、売上高は125.9%、営業利益は118.9%、税引き前利益は113.5%、当期利益は105.4%で、売り上げ、利益ともにコロナ越えとなる。

【FOOD & LIFE COMPANIESの業績推移】単位:億円、2021年9月期は予想

2019年9月期 2020年9月期 2021年9月期
売上高 1990.88 2049.57 2506
営業利益 145.46 120.61 173
税引き前利益 143.63 105.36 163
当期利益 99.59 64.2 105

経費を抑え、出店を加速

2021年9月期第2四半期は、すしネタなどの原材料費や光熱費などの原価を引き下げたことで利益率が改善したほか、コロナ禍の中、国内で34店舗、海外でも6店舗の合わせて40店舗を出店(閉店は4店舗)したことなどで増収増益を実現した。

下期についても引き続き経費削減を進めるとともに、従来型の店舗のほかテイクアウト専門店を積極的に出店し、駅ナカ・駅前ビルなどの既存店でカバーしきれなかった立地にも出店する。

また、吉野家ホールディングス<9861>から買収した持ち帰りずし店の京樽との相乗効果の早期実現に取り組むほか、5月14日からは恒例の創業祭を過去最大規模で開催し、来店客数の大幅アップを目指す。

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、東京や大阪などの4都府県に発出されていた緊急事態宣言が5月末まで延長されるほか、新たに愛知県や福岡県に対象が広がるなど、外食産業は厳しい経営環境下にある。

経費削減や積極的な出店、大型イベントの開催などで、コロナ禍を跳ね返そうとする同社の取り組みには、同業者はもとより他業態の外食企業からも関心が集まりそうだ。

文:M&A Online編集部

M&A Online編集部

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