コロナに見舞われたトヨタを減収減益から救った「孝行息子」とは

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「孝行息子が親を救った!」トヨタ自動車<7203>の2021年3月期連結決算は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックに見舞われながらも、当期利益が前期比10.3%増の2兆2452億円と2ケタ増になった。しかし、売上高に当たる営業収益や本業の儲けを示す営業利益はいずれも前期を下回っている。なぜ、トヨタは当期利益を伸ばし、最終的な減収減益を食い止めることができたのか?

トヨタを救った「営業外収益」

トヨタの2021年3月期決算資料より

同社の決算資料を見ると、さしものトヨタもコロナ禍による販売減や半導体調達問題などで業績が伸び悩んだ。その結果、営業収益は前期比8.9%減の27兆2145億円、営業利益は同8.4%減の2兆1977億円に終わった。ところが税引前利益からは同5.0%増の2兆9323億円と増益に転じる。

トヨタ2021年3月期連結決算資料より

その理由は連結損益計算書を見れば一目瞭然だ。「持分法による投資損益」が同13.1%増の3510億円、「その他の金融収益」が同42.3%増の4352億円と大幅に増加している。さらには為替差損益が946億円の差損から151億円の差益と1097億円も改善。前期実績との比較では、この3項目の合計で2799億円の改善を果たし、営業利益の2014億円減少をはねのけて当期増益を果たしたのである。

営業外収益の増減 単位:百万円
2020年3月期 2021年3月期
対前期比
前期比差額
持分法による投資損益
310,247
351,029
13.1%
40,782
その他金融収益
305,846
435,229
42.3%
129,383
為替差益損
-94,619
15,142
109,761
前期比差額計
279,926

このうち「持分法による投資損益」は、一般に出資比率が20%超〜50%未満の持ち分法適用会社の利益のこと。持ち分法適用会社の当期損益が、出資比率に応じた営業外収益として計上される。たとえばA社が25%出資する持ち分適用会社B社が100億円の当期利益を上げた場合、25億円を「持分法による投資利益と」してA社の当期利益に組み込める。

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