湖池屋を買収した「日清食品」コロナ禍の中、過去最高益を更新

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日清食品HDの東京本社(東京都新宿区)

カップヌードルなどの即席めん大手の日清食品ホールディングス(HD)<2897>は、新型コロナウイルス感染症拡大による外出自粛などの影響で即席めん事業が好調に推移したのに加え、スナック菓子の湖池屋<2226>の買収効果なども加わり、2021年3月期の当期利益が過去最高を更新した。

同社が2021年5月11日に発表した2021年3月期決算によると、売上高は5061億700万円(前年度比7.9%増)、営業利益555億3200万円(同34.6%増)、税引き前利益562億3300万円(同31.8%増)、当期利益408億2800万円(同39.3%)と大幅な増収増益となった。

国民食とも言われるラーメンがコロナ禍でも、そのパワーを存分に発揮した格好だ。

「出前一丁」などが伸長

日清食品HDの2021年3月期の部門別状況を見ると、日清食品部門では「出前一丁」「日清焼そば」「日清のラーメン屋さん」などの袋めんが売り上げを伸ばしたほか「あっさりおいしいカップヌードル」シリーズや「あっさりおだしがおいしいどん兵衛」シリーズ、「カレーメシ」などのカップライス製品の売り上げが大きく伸びた。

明星食品部門でも「明星 チャルメラ」が好調だったのをはじめ、低温事業部門の「行列のできる店のラーメン」「つけ麺の達人」「日清のラーメン屋さん」なども伸びた。海外部門は米州地域、中国地域がともに好調に推移し、菓子・飲料事業部門は「ごろっとグラノーラ」シリーズや「シスコーンBIG」シリーズが増収となり、2020年11月に子会社化した湖池屋も業績に寄与した。

湖池屋は1967年に日本で初めてポテトチップスの量産化に成功した企業で、日清食品HDとは2011年に業務・資本提携を結び、協力関係を強めてきた。業績は日清食品HD同様、新型コロナウイルスの影響で好調に推移しており、2021年6月期は3年連続の増収営業増益予想で、業績への寄与はさらに高まる。

即席めん事業に次ぐ収益の柱を育成

ただ、日清食品HDの2022年3月期は減益に転じる見込みだ。売上高は前年度比6.7%増の5400億円と引き続き増収を達成できるものの、新規事業投資を積極化することもあり減益が避けられないという。営業利益は425億~445億円(前年度比23.5~19.9%減)、当期利益310億~330億円(同24.1~19.2%減)と20%前後の減益を予想する。

同社は2021年3月期決算と同時に、2022年3月期を初年度とする10年間の中長期成長戦略を発表し、三つの成長戦略テーマを掲げた。そのうちの一つである「新規事業の推進」では「未来の食」作りや「食と健康のソリューション企業」への成長などを目指すという。

この取り組みで国内の即席めんの売上高構成比を20ポイント引き下げ40%にするとともに、即席めん事業に次ぐ第2の収益の柱を育成する。同社はコロナ禍を好機と捉え、事業構造を大きく変えようとしているのだ。

文:M&A Online編集部

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湖池屋の主力商品であるポテトチップスの売れ行きが好調だ。同社によると2020年2月から9月までの売上高が「湖池屋プライドポテト」で前年同期比65%増、「じゃがいも心地」は同73%増、「KOIKEYA STRONG」は同2.3倍に急伸した。