新たな自伝本として注目したいのが、第8位の「SHOE DOG 靴にすべてを。」。スポーツ用品メーカーNIKEの創業者フィル・ナイトがその創業期を振り返る。発売日が10月27日だというのに既にランキング入りしているあたり、その注目度の高さがうかがえる。それもそのはず、本国アメリカで出版された際にビル・ゲイツやウォーレン・バフェットが絶賛しており、待望の日本語版なのだ。売上は伸びるも自転車操業の経営、困難をきわめた資金繰り、NIKEと日本の意外な関係など、創業期ならではの山あり谷ありの物語には胸が熱くなること必至だ。何より、フィル・ナイトの靴への情熱を感じずにはいられないだろう。
粉飾決算が発覚してから多くの東芝本が出てきているが、第9位「東芝の悲劇」は他と一線を画した1冊。朝日新聞記者として20年にわたって東芝を取材してきた大鹿靖明が、歴代社長による「人災」という視点から東芝の凋落に迫る。組織のトップが思考停止してしまうことは東芝だけの問題でなく、日本企業、日本社会にとっても今後大きな課題となっていくことだろう。
まとめ:M&A Online編集部