売れているのには理由がある――。数多あるビジネス書の中から、どの本をいま読むべきか決めるのはなかなか難しい作業。ならば、世間で売れている本に注目してみようというわけで、ハイブリッド型書店サービス「honto(ホント)」の協力のもと、ビジネス書の月間ランキングを毎月お届けする。

<2017年1月ビジネス書ランキング>

ランキングタイトル/著者/出版社
第1位やり抜く力 人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける
アンジェラ・ダックワース /ダイヤモンド社
第2位嫌われる勇気 (自己啓発の源流「アドラー」の教え)
岸見一郎、古賀史健 /ダイヤモンド社
第3位僕らが毎日やっている最強の読み方 新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける70の極意
池上彰、佐藤優 /東洋経済新報社
第4位はじめての人のための3000円投資生活
横山光昭 /アスコム
第5位生産性 マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの
伊賀泰代 /ダイヤモンド社

honto調べ(集計期間:2017年1月1日~2017年1月31日)

嫌われる勇気 (自己啓発の源流「アドラー」の教え)

生産性 マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの

2017年1月のランキングは昨年12月のランキングとあまり変わらない顔ぶれだが、1月から放送スタートとなったドラマの原案であるベストセラー「嫌われる勇気」が再びランキングに返り咲いた。ドラマは、アドラーの教えをベースに著者の岸見一郎氏監修の下、刑事ドラマに仕立てたもの。先日、日本アドラー心理学会がこのドラマの内容に関して「他者の利害」という見方が完全に欠落していると指摘し、同ドラマを制作するフジテレビに対して放映中止または脚本の大幅な直しを求める抗議文を発表して、ちょっとした話題となった。ドラマとともに本の方もしばらく注目を集めそうだ。

ランキングの中でも、今回は昨年12月のランキングで4位でもあった「生産性 マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの」にスポットを当てたい。著者は米国系コンサルティングファームのマッキンゼー日本支社に17年間在籍し、採用や人材育成を担当してきた。そこでの経験を通じて、日本企業と米国系企業の違いとして、前著「採用基準」で言及した“リーダーシップ”に続き、本著では“生産性”について取り上げている。

前半では、組織において生産性を上げることの重要性を解説。多くの企業で問題視される残業時間や会議時間の長さは、量のコントロールでなく、質を上げていくことが問題解決につながるという。また、さまざまな人材が集まる組織の中で、日本企業的な一様な人材育成は会社としての生産性を下げるだけだと指摘。1人1人を成長させてこそ、会社全体の生産性向上となることから、どんな社員の成長も諦めてはならないと説く。

後半では、より具体的に生産性アップにつながる研修方法をはじめ、マッキンゼー流の「ブランク資料」作成や、資料の説明をさせないといった会議の進め方を紹介。これらは、すぐにでも取り入れられるものなので、生産性アップのはじめの一歩として取り組む価値がある。

そしてマクロ的視点から生産性について語られる最終章では、一企業でなく社会においても、働き方の多様化や地方再生を考える上でいかに生産性が大事なのかということにハッとさせられる。

特にリーダー職や管理職についているビジネスマンに是非読んでほしい一冊だ。今、日本企業、ひいては日本社会に必要とされている生産性について、改めてその重要性を認識し直すことができるだろう。

まとめ:M&A Online編集部

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