ハイブリッド型総合書店「honto(ホント)」で好評の「ブックツリー」は、本の専門家たちが私たちの“関心・興味”や“読んでなりたい気分”などに沿って、独自の切り口で自由におすすめの本を紹介する企画です。
そんな数あるブックツリーの中から、ビジネスパーソン向けのものを編集部が厳選! 教養や自己啓発、ビジネスの実践に役立つものをピックアップしてお届けします。

“金融という戦場の掟を知る” 

ブックキュレーター:黒木亮

金融の世界では、どんな業界より激しい闘いが繰り広げられている。そこでは野心と欲望が渦巻き、市場という魔物によって人間が翻弄される。これらの本でドラマを楽しむもよし、金融の世界に飛び込むもよし、金の持つエネルギーに圧倒されるもよし。

野村證券第2事業法人部

野村證券第2事業法人部

オリンパスの粉飾決算に関与したとして1、2審で有罪判決を受けた元野村証券マンの手記。野村証券の荒々しい企業風土と阿修羅のような激しさで取引先を攻略していく著者の姿には度肝を抜かれる。大手企業が行った違法行為も実名で暴露されており、日本の金融の中枢で何が起きていたかがよく分かる。

巨大投資銀行(上)

巨大投資銀行(上)

『野村證券第2事業法人部』の外資版。邦銀に失望し、米系投資銀行に身を投じたM&Aバンカー、“ウォール街の帝王”ソロモン・ブラザーズの天才債券トレーダー、開拓者魂に溢れるデリバティブ・セールスマンの3人の日本人を軸に、投資銀行業務をあますところなく描いた作品。メガバンクの研修や大学のゼミでも使われている折り紙付きの内容。

トップ・レフト ウォール街の鷲を撃て

トップ・レフト 都銀vs.米国投資銀行

日系自動車会社がイランに工場を建設するための、1億5千万ドルのシンジケート・ローン(国際協調融資)組成をめぐる日・米・欧・中近東の銀行の攻防をスリリングに描いた国際金融小説。かつて同じ邦銀で働いた2人の男の対決は、どちらに軍配が上がるのか!?そして謎の男の正体は?

ライアーズ・ポーカー

ライアーズ・ポーカー

著者がソロモン・ブラザーズの債券セールスマンとして働いた経験をもとに、今は昔となった?マッチョ“な投資銀行の企業文化を赤裸々に描いた作品。ソロモンは著者を名誉棄損で訴えようと考えたが、顧問弁護士に「本が売れるだけだから止めておけ」と言われ、踏みとどまった。しかし結局、本書は世界的ベストセラーになった。

世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち

世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち

昨年あたりから、伊藤忠商事をカラ売りしたグラウカス・リサーチやサイバーダインをカラ売りしたシトロン・リサーチなど、カラ売りファンドが日本に本格的に上陸し始めた。徹底した調査と分析にもとづくカラ売りは最もインテリジェントな投資手法だ。本書はサブプライム商品のまやかしを見抜いてカラ売りに賭けた男たちの苦闘と栄光を描く。

ブックキュレーター:黒木亮

1957年北海道生まれ。早稲田大学法学部卒、カイロ・アメリカン大学(中東研究科)修士。銀行、証券会社、総合商社に23年あまり勤務し、国内外の金融案件を手がける。2000年国際協調融資の攻防を描いた『トップ・レフト』で作家デビュー。主な作品に『巨大投資銀行』『排出権商人』『鉄のあけぼの』『法服の王国』など。大学時代は箱根駅伝に2度出場し、ランナーとしての半生を『冬の喝采』に綴っている。1988年よりロンドン在住。

※本記事はhonto「ブックツリー」より転載