売れているのには理由がある――。数多あるビジネス書の中から、どの本をいま読むべきか決めるのはなかなか難しい作業。ならば、世間で売れている本に注目してみようというわけで、ハイブリッド型総合書店「honto(ホント)」の協力のもと、ビジネス書の月間ランキングを毎月お届けする。
<2017年8月ビジネス書ランキング>
ランキング | タイトル/著者/出版社 |
第1位 |
多動力 全産業の“タテの壁”が溶けたこの時代の必須スキル(NewsPicksBook) 堀江貴文/幻冬舎 |
第2位 |
会話もメールも英語は3語で伝わります Simple English for Everyone 中山裕木子/ダイヤモンド社 |
第3位 |
論理的思考力を鍛える33の思考実験 北村良子/彩図社 |
第4位 |
宝くじで1億円当たった人の末路 鈴木信行/日経BP社 |
第5位 |
生涯投資家 村上世彰/文藝春秋 |
第6位 |
まんがでわかる地頭力を鍛える 細谷功/東洋経済新報社 |
第7位 |
嫌われる勇気 (自己啓発の源流「アドラー」の教え) 岸見一郎/ダイヤモンド社 |
第8位 |
レバレッジ不動産投資 激務の現役医師が実践 自由になるための最速メソッド 本間けい/サンライズパブリッシング |
第9位 |
9プリンシプルズ 加速する未来で勝ち残るために 伊藤穰一、ジェフ・ハウ/早川書房 |
第10位 |
図解モチベーション大百科 池田貴将/サンクチュアリ出版 |
honto調べ(集計期間:2017年8月1日~2017年8月31日)
8月のランキングで注目したいのは、「考える力」をテーマにした本たち。
第3位に初登場した「論理的思考力を鍛える33の思考実験」は、パズル作家による1冊。「トロッコ問題」や「アキレスと亀」「モンティ・ホール問題」など有名な思考実験のほか、オリジナルも合わせて33もの思考実験を取り上げ、その本質を解説している。特に冒頭で紹介されている「トロッコ問題」では、条件や設定を変えることによって私たちが導き出す答えに変化が出てくるのが面白い。ふだんは使わないような頭の使い方をするので、頭を柔らかくする体操になるはずだ。
一方、ビジネスシーンですぐ活用できそうなのは、ロングセラーである「地頭力を鍛える」を漫画化した第6位「まんがでわかる地頭力を鍛える」。漫画なだけにサクッと読め、要点がわかりやすくまとめられている。地頭力を鍛えるために必要な「仮説思考力」「フレームワーク思考力」「抽象化思考力」の3つの思考力を、主人公のOLが任されたプロジェクトを進めながら身につけていくストーリー。思考停止に陥ってしまいがちな人や、自身の思考のクセを知りたい人に入門編としておすすめしたい。仕事に煮詰まった時など、考え方や視点を変えるヒントになるだろう。
第9位「9プリンシプルズ 加速する未来で勝ち残るために」は、NHK「スーパープレゼンテーション」でもおなじみのマサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボ所長・伊藤穰一と、「クラウドソーシング」という言葉の生みの親でジャーナリストのジェフ・ハウによる共著。タイトルどおり、AIやビットコインなどテクノロジーの進化とともにスピード感の増すこれからの時代を生き抜くための9つの“原理”がまとめられている。「プッシュよりプル」「地図よりコンパス」など私たちが持っておくべき考え方を、ビジネスやイノベーションの現場での事例を豊富に交えて紹介しており、かなり濃厚な内容で読み応えがある。個人だけでなく、企業や組織にも必要とされる心構え、未来への指針を示してくれる1冊だ。
まとめ:M&A Online編集部
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