売れているのには理由がある――。数多あるビジネス書の中から、どの本をいま読むべきか決めるのはなかなか難しい作業。ならば、世間で売れている本に注目してみようというわけで、ハイブリッド型書店サービス「honto(ホント)」の協力のもと、ビジネス書の月間ランキングを毎月お届けする。

<2017年7月ビジネス書ランキング>

ランキングタイトル/著者/出版社
第1位多動力 全産業の“タテの壁”が溶けたこの時代の必須スキル(NewsPicksBook) 
堀江貴文/幻冬舎
第2位会話もメールも英語は3語で伝わります Simple English for Everyone 
中山裕木子/ダイヤモンド社
第3位生涯投資家 
村上世彰/文藝春秋
第4位宝くじで1億円当たった人の末路 
鈴木信行/日経BP社
第5位あの会社はこうして潰れた(日経プレミアシリーズ) 
藤森徹/日本経済新聞出版社
第6位嫌われる勇気 (自己啓発の源流「アドラー」の教え)
岸見一郎/ダイヤモンド社
第7位人生の勝算 (NewsPicks Book)
前田裕二/幻冬舎
第8位まんがでわかる地頭力を鍛える
細谷功/東洋経済新報社
第9位誰がアパレルを殺すのか
杉原淳一/日経BP社
第10位閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済(集英社新書) 
水野和夫/集英社

honto調べ(集計期間:2017年7 月1日~2017年7月31日)

多動力 全産業の“タテの壁”が溶けたこの時代の必須スキル

先月に引き続き、トップとなったのがホリエモンこと堀江貴文による「多動力 全産業の“タテの壁”が溶けたこの時代の必須スキル」。多動性というと、これまで多動症などネガティブな意味合いで使われることが多かったが、その概念をポジティブにしてくれる1冊だ。多動力とは、複数の異なる仕事を同時にこなす力。日本には「石の上にも三年」「継続は力なり」という言葉があるが、その価値観からの脱却をホリエモンは強くすすめる。ゆくゆくは全ての産業の垣根がなくなり、水平分業へと変わっていくからだ。そんな社会で生き抜いていくには、業界という枠にとらわれることなく、「越境」していくことが求められる。そこで必要となるのが多動力というわけだ。興味あることに次から次へと首を突っ込み、渡り歩いていく。そこで重要なのが、それぞれの仕事で100点満点を目指さなくてもいいということ。一度興味をもった分野については、一気にハマって掘り下げればそこそこの知識を獲得できるからだ。そして、次に興味あることへとシフトしていけばいいという。本著で語られる内容には多少合理的すぎると感じる部分もあるが、一つの肩書きに縛られることのない、ホリエモンらしい働き方の提案であり、これからますます多様化していく働き方を考えるうえでも参考になる。

人生の勝算

そして、もう1冊注目したいのが第7位にランクインした前田裕二著「人生の勝算」。前田氏は、仮想ライブ空間「SHOWROOM」を手がける若手実業家だ。大学卒業後に外資系投資銀行に入社し、1年後にはNYで株式セールス/アドバイザリー業務に従事。その後、DeNAに入社し、「SHOWROOM」事業を立ち上げて独立した。本著は、そんな前田氏の自身の体験から見出されたビジネス論、人生論が綴られている。前田氏のビジネスの原点は、路上ライブなだけに、彼のビジネス論には人とのつながりや思いやりを大事にする温かみが感じられる。「人を好きになり、好かれること」を圧倒的な熱量で実行してきた前田氏。これはずっと昔からビジネスの根底にあった本質でもあるように感じた。

超合理的なホリエモンの1冊と、それとは対照的に超人間くさい前田氏の1冊。どちらにも学ぶべきところがあるので、この機会に自身の仕事観を見直してみてはいかがだろうか。

  まとめ:M&A Online編集部