ハイブリッド型総合書店「honto(ホント)」で好評の「ブックツリー」は、本の専門家たちが私たちの“関心・興味”や“読んでなりたい気分”などに沿って、独自の切り口で自由におすすめの本を紹介する企画です。
そんな数あるブックツリーの中から、ビジネスパーソン向けのものを編集部が厳選! 教養や自己啓発、ビジネスの実践に役立つものをピックアップしてお届けします。
ブックキュレーター:岸見一郎
「なぜ人は働くのか」というようなことは多忙な日々には熟慮されないかもしれないが、仕事に行き詰まった時でなくても、時に立ち止まって考えたい問いである。
働くこと、さらには生きることについてのヒントを得、仕事に前向きに取り組む勇気を持てる哲学書、心理学書を選んだ。
本書によって今なお新しいアドラー心理学の本質を知ることができるが、わからないことを徹底的に問い続ける青年と、どんな問いにも冷静に答える哲人との問答から職場での上司と部下のあり方についても学ぶことは多い。
青年に害悪を与えたという理由で死刑を宣告されたソクラテスがどんな信念を持って生きたかを知ることができる。ソクラテスは、お金や名声を得ることばかりに汲々とし、自らの魂を大切にしないことを恥ずかしくはないのかと厳しく問いかける。
三木は人生論という形で、死、懐疑、偽善などについて論じているが、言葉の端々に、成功するためには自分のことしか考えない風潮への批判が込められている。働くことの意味について再考を促される。
本書は、人生についての意味づけを変えれば、世界はシンプルなものになることを多くの事例を通じて明らかにしている。仕事も含め自分が取り組むべき課題に立ち向かう勇気を持てる。
フロムは、相手さえいれば恋愛は成就すると考えるのは間違いであり、愛することは技術であるという。技術のない愛は無力なのである。愛についてフロムが言っていることは仕事も含め、対人関係全般に当てはまる。
ブックキュレーター:岸見一郎
1956年京都生まれ。哲学者。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学。専門の哲学(西洋古代哲学)と並行して、1989年からアドラー心理学を研究。精力的にアドラー心理学や古代哲学の執筆・講演活動、そして精神科医院などで多くの「青年」のカウンセリングを行う。日本アドラー心理学会認定カウンセラー・顧問。
※本記事はhonto「ブックツリー」より転載
会計情報は、会社の真の姿を物語ります。社長のインタビューなんかよりも、よっぽど正直です。これを会計士である著者(前川修満先生)が読み解きます。
沼上幹「ゼロからの経営戦略」では、経営学の考え方が様々な企業の実例を通じて学べる。経営者だけでなく、戦略的思考を身につけたいビジネスパーソンにおすすめの1冊だ。
マーサージャパンのグローバルM&Aコンサルティング・竹田年朗氏による「買収効果が出る クロスボーダーM&Aの組織・人事手法」を取り上げる。