総合商社のビジネス

 近年の総合商社のビジネスは、一般的にトレードと事業投資の2種類に分類される。トレードとは、商社の伝統的なビジネスで、取引仲介と金融を中心とした事業である。事業投資とは、商社が企業などに出資を行い、人材やノウハウ、資金、情報といった経営資源を投入し、経営を支援していく事業である。

 だが、原料を輸入し、メーカーに販売するとともにメーカーの製品を輸出するトレードビジネスは、日本の高度経済成長期に重要な役割を担ったものの、メーカーが自力で原料を調達、製品を販売するようになり縮小する。そこで、総合商社は、トレードを中心とするビジネスから事業投資へビジネスを変革させた。現在の総合商社のビジネスにおいてトレードと事業投資は、別個に存在するのではなく、事業投資によりトレードが拡大したり、トレードから事業投資に発展したりと、相互に関連している。事業投資は、資源権益を確保するための投資と、事業会社に対する投資があり、単独で投資する事もあるが、投資事業について専業で展開している事業会社などと共同で投資する事も多い。

■住友商事の事業投資1(2004~06年)

年月 内容
2004.3 日東バイオン(肥料などの製造販売)を完全子会社とする株式交換を実施(51%→100%)。買収価額は12億円
2004.3 セブン工業(住宅部材の製造・販売、施設建築。売上高237億円)の株式に対する公開買付けを実施(0.7%→50.7%)。買収価額は24.7億円
2005.3 株式交換により住商メタレックス(電気・電子機器、住宅機器などの販売。売上高722億円)を完全子会社化(69.14%→100%)。買収価額は24億円
2005.8 株式交換により住商オートリース(売上高858億円)を完全子会社化(52.9%→100%)。買収価額は442億円
2005.12 NASDAQ上場の米国タイヤ販売会社TBCコーポレーション(売上高20億ドル)を1326億円で買収(100%)
2006.3 映画製作・配給会社のアスミック・エースエンタテインメントの27.67%の株式を角川書店より取得し、同社を子会社化する。今回の株式取得により、アスミック・エースエンタテインメントへの出資比率は住友商事75.3%、角川書店20.0%、その他株主4.7%に
2006.7 米国自治領北マリアナ諸島連邦の最大手通信事業者であるPacific Telecom Inc.の議決権付株式の25%を第3者割当増資により約30億円で取得
2006.10 住友商事およびカナダのダイナテックは、マダガスカル共和国でニッケルの鉱石から地金までの一貫生産を行うアンバトビィ・ニッケル・プロジェクトに関して、コリアリソーシズコーポレーション(韓国)およびエスエヌシーラバリン(カナダ)の参画を受け入れ、株主間契約書を締結。権益構成は住友商事27.5%、ダイナテック40%、コレス27.5%、エスエヌシー社5%となる
2006.12 住商リース(売上高4,504億円)の普通株式に対する公開買付けを実施(36.21%→96.54%)。所得費用は1832億円。07年7月に株式交換により完全子会社化
2006.12 中国江蘇省昆山市にある自動車部品製造・販売会社である富士和機械工業(昆山)有限公司の株式45%を台湾の大手自動車部品メーカーである六和機械公司より取得
2006.12 住友商事と旭硝子は、両社が共同出資して設立した米国ソーダ灰の共同販売会社ソーダアッシュジャパン(売上高50億円)の旭硝子の所有全株式を住友商事が取得し100%子会社化することに合意
2006.12 ベトナムの国営石炭・鉱物資源会社であるVietnam National Coal-Mineral Industries Group傘下の無煙炭炭鉱操業会社2社の株式を取得

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