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失敗? 成功? 巨額損失を計上したM&A10選(2)

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6.東芝<6502>→米ウェスチングハウス(原子力事業)
06年10月、東芝は三菱重工、GEなど他社に競り勝って6600億円で米ウェスチング(WH)を傘下に収めた。しかし、WHが15年に買収したCB&Iストーン・アンド・ウェブスターの複数の不採算工事を抱え込み、16年3月期には2600億円の減損損失を計上した。ところが、これで事態は収束せず、17年3月、ついにWHが連邦破産法11条(いわゆるチャプター・イレブン)の適用を申請。17年3月期におけるWH関連の損失は総計で1兆3000億円を超える見通しとなっている。
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7.三井倉庫ホールディングス<9302>→三洋電機ロジスティクス(物流事業)
12年4月、三井倉庫は投資ファンドなどから三洋電機ロジスティクス(現三井倉庫ロジスティクス)株を242億円で取得し、完全子会社化した。以降も国内外でM&Aによる拡大路線を目指したが、物流事業の業績は低迷。17年3月期、過去に買収した複数の国内および海外物流子会社の事業計画を見直した結果、ロジスティクス社に対する136億円ののれんの減損を含む250億円超の減損損失を計上するに至った。なお、東芝、日本郵政の損失処理やそれを意識した銀行からの圧力も減損処理を後押ししたと考えられる。

損失発生か?ヒヤリとさせられたM&A事例3選

1.ソフトバンク<9984>→米スプリント(通信事業)
ソフトバンクが13年に買収した米スプリントが米国決算で14年10‐12月期に2500億円の減損損失を計上した。しかし、親会社の連結決算では減損損失を計上しなかった。これは減損の対象となった商標権や有形固定資産を子会社スプリントの視点ではなく、親会社の視点から見た場合には、グループ全体として採算が見込まれ、減損損失を計上する必要はないという判断であった。
【ソフトバンク】M&Aの名手はどのように変革を遂げたのか

2.伊藤忠商事<8001>→米ドラモンド(コロンビアの炭鉱事業)
16年7月、空売りファンドと言われるグラウカス・リサーチ・グループは、伊藤忠商事が1531億円相当の減損損失の計上を意図的に回避しているとのレポートを公表した。レポートでは、米国ドラモンド社のコロンビア炭鉱に対する出資持分に価値の下落が生じていると主張。しかし、当然、伊藤忠商事は反論。減損損失の計上はしていない。
【伊藤忠商事】「三方よし」近江商人のルーツに基づく伊藤忠商事の「非資源」戦略

3.JT<2914>→英ギャラハー(たばこ)
JTは07年に英たばこ大手のギャラハーを1兆7310億円で買収。国内で加ト吉(現テーブルマーク)を1021億円で買収するほか、世界各国で数千億円規模のM&Aを実施。多額ののれん計上が予想される買収は市場でも嫌気され、株価が下振れすることも。2016年12月期の決算でのれん代の累積額が1兆6000億円(自己資本の約6割)を超えたことから、減損リスクが高まっているのではないかとの憶測が流れた。
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2017/04/01

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