王子は我が国の用紙発祥の地として知られ、旧王子製紙の王子工場があった。紙の博物館は1950年、その跡地に太平洋戦争の空襲で唯一焼け残った同工場電気室の建物を利用して旧王子製紙が保管していた資料をベースに開設された。当初は「製紙記念館」という、いわゆる企業の記念館だった。ところが1986年、その敷地に首都高速が建設され、王子駅を挟んだ西側の飛鳥山公園内に移設された。
王子HDが海外企業のM&Aに力を入れている。2010年以降の買収企業は主なものだけでも7件。これに伴い海外売上高比率は2010年ごろに5%程度だったのが30%ほどにまで高まってきた。
買収時の想定に 反して巨額損失の計上に追い込まれるM&Aは、いつの時代にも少なからず存在する。前回に続き、近年の事例を振り返り、考える契機としたい。
「労働移動支援助成金」を利用し補助金を得る 「首切りビジネス」と糾弾された製紙業大手の王子ホールディングス。同じように信用失墜に伴い経営が悪化した東芝と比較・分析した。