2023年のM&A戦線は終盤、MBO(経営陣による買収)ラッシュの様相を呈した。しかも数千億円の巨額案件が連続した。その一つが人材サービス業界から飛び出した。
年の瀬を控えた12月上旬、製造系・技術系派遣の最大手、アウトソーシングがMBOで株式を非公開化すると発表したのだ。総額は2211億円。創業者の土井春彦会長兼社長が米投資ファンドのベインキャピタルと組んでTOB(株式公開買い付け)を行い、全株式の取得を目指す...
2023年のIT・ソフトウェア企業を対象にしたM&Aは、2014年からの過去10年で最多の181件(2023年12月27日現在)で、コロナ禍で同業界のM&Aが活発になった2021年の163件を抜いた。
2023年10月のM&A件数(適時開示ベース)は85件と前年を2件上回った。9月は7カ月ぶりに前年比マイナスとなったが、ひと月で増勢を取り戻した。一方、取引金額は2143億円にとどまり、今年3番目の低水準だった。
2023年7月のM&A件数(適時開示ベース)は74件と前年を17件上回った。前年比プラスは5カ月連続で、国内、海外案件とも堅調に推移した。取引金額は1566億円と低調だった。5~6月は2カ月連続で1兆円を超えたが、大型案件が乏しかった。
2023年5月のM&A件数(適時開示ベース)は前年を1件上回る79件だった。5月として過去10年で最も高い水準で、国内、海外案件とも好調に推移した。1~5月累計は427件で、前年を42件上回るハイペースを維持している。