2023年の製造業をターゲット(対象)にしたM&Aは、件数が前年比11.1%増の240件(前年は216件)で3年連続の増加となった。一方、取引総額は同約3倍の約8兆6199億円(前年は約2兆9070億円)と、3年ぶりの増加となった。国内M&A市場全体が成長する中、件数は過去10年間で最高、取引総額は2018年の約11兆7024億円に次ぐ2位と好調だった...
小売業を対象とした2023年のM&A件数は52件と前年を14件下回った。50件台は2021年(58件)以来。コロナ禍初年の2020年77件と比べて25件の大幅ダウンとなるが、経済活動の正常化に伴い、かえって件数自体は落ち着いたともいえる。
米調査会社ディールロジックによると、第3・四半期の企業の合併・買収(M&A)案件総額は7174億ドルで、前年同期の7381億ドルから小幅減少した。欧州やアジア太平洋地域は低調だったが、米国が活況で、案件総額に占める割合は約半分に達した。
日本企業がかかわる海外M&Aが回復を遂げている。2023年上期(1~6月)の海外M&Aは前年を3割上回る94件で、コロナ前の2019年(上期、89件)を超えた。日本企業が買い手となるアウトバウント取引が復調が目立つ。一方、外国企業が買い手(日本企業が売り手)に回るインバウンド取引はコロナ禍以降、高止まり傾向が続いている。
2023年序盤のM&A戦線で山梨県が気を吐いている。第1四半期(1~3月)に、山梨県の企業がかかわるM&Aは4件(適時開示ベース)と前年の年間件数と並んだ。全国47都道府県のうち、第1四半期を終えた時点で、前年件数に肩を並べたのはほかに2件の鳥取県だけ。一方、ゼロ件も今のところ12県ある。