今年第3四半期のTOB(株式公開買い付け)は件数、金額ともに第3四半期としては2年連続の増加となった。年間累計件数では47件と前年通年の59件まであと12件に迫り、2年ぶりに増加に転じる可能性も出てきた。一方、年間累計取引金額は第3四半期で追い上げて2兆6593億円と昨年通年実績を上回り、3年ぶりの増加が確定している。国内投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP、東京都千代田区)陣営による東芝のTOBが総額を押し上げた...
TOB(株式公開買い付け)がここへきて急増している。先週(6~10日)だけで12件の発表があり、2023年のTOB件数(届け出ベース)は15日時点で68件と、1カ月半を残して前年59件を大きく超えた。このペースでいけば、2009年(79件)以来14年ぶりの活況となりそうだ。
2023年第2四半期ののTOBは件数が前年同期比4件減の11件に終わった。一方で金額は同61.6%減の990億4000万円と第2四半期としては3期連続の減少となった。100億円以上の大型案件が前年同期比3件減の3件と低迷したのが響いている。
2023年は上期を終えて間もなく折り返しを迎えるが、M&Aの取引金額(適時開示ベース)が早くも5兆円を突破した。前年より4カ月早いペースで、単純計算だと2020年以来3年ぶりに年間10兆円の大台を突破する勢いだ。
2023年第1四半期(1~3月)のM&A件数は275件と前年を38件上回る高水準で推移した。前年の年間件数は949件とリーマンショック後の最多を2年連続で更新したが、現状のペースでいけば、今年は年間1000件の大台乗せが見込まれる。